アメリカの携帯キャリアは、AT&T、T-Mobile、Verizonの3社です。通信速度の測定サービスOoklaの2026年上半期のレポートでは、速度はT-Mobileが首位、エリアの広さはVerizonが首位でした。T-Mobileの下り速度の中央値は275.55Mbpsで、2位のAT&T(159.3Mbps)を大きく上回っています。また3社は5Gの周波数が違うため、どの回線につながり、端末がその周波数に対応しているかでつながり方が変わります。この記事では各社の公式情報、Ookla、米国連邦通信委員会(FCC)の資料で3社を比べ、旅行用eSIMの接続先を確かめる方法を説明します。

アメリカで使う回線を出発前に用意しておくなら、Coral eSIMのアメリカプランから滞在日数に合う容量を選べます。対応するネットワークは商品ページに表示されています。

アメリカの携帯キャリアは3社、格安ブランドも3社の回線を使っている

アメリカで全国に自前の携帯網を持つ大手は、AT&T、T-Mobile、Verizonの3社です。かつての大手Sprintは現在T-Mobileの一部で、Sprintの3GとLTEはT-Mobileが2022年に停波しています。FCCは、CricketやBoost、Straight Talkなど多くの携帯ブランドがAT&T・Verizon・T-Mobileの網を利用していると説明しています。

3社とも3Gはすでに停波しており、VoLTEに対応していない古い端末は使えません。現地でSIMを買う場合の端末の条件はアメリカでSIMカードを買う方法で詳しく扱っています。

アメリカのキャリア3社の5G周波数:T-Mobileは2.5GHz、VerizonとAT&TはC-band

3社の違いがもっとも出るのが5Gの周波数です。各社の公式情報をまとめると次のとおりです。

キャリア広いエリアを支える5G速さを担う5G
T-Mobile600MHz帯(n71)「Extended Range 5G」2.5GHz帯(n41)など「Ultra Capacity 5G」
Verizon低い周波数の「5G Nationwide」C-band(3.7〜3.98GHz)とミリ波の「5G Ultra Wideband」
AT&T低い周波数の「5G」C-bandと3.45GHz帯(n77)、ミリ波の「5G+」

T-Mobile:600MHzと2.5GHzの二段構え

T-Mobileの公式サポートによると、広域をカバーする「Extended Range 5G」はバンドn71(600MHz)、高速な「Ultra Capacity 5G」はバンドn41(2.5GHz)やn2/n25(1900MHz)、ミリ波で提供されています。Extended Range 5Gは米国人の98%をカバーするとしています。2022年11月には、5Gだけで動くSA方式でのUltra Capacity 5Gを全米で始めています。

Verizon:C-bandが5G Ultra Widebandの中心

Verizonの公式サポートは、5G Ultra Widebandはミリ波とC-bandを、5G Nationwideは低い周波数を使うと説明しています。C-bandは3.7〜3.98GHzの中周波数帯で、ミリ波より遠くまで届き、建物の中でも使えるとされています。

AT&T:C-bandに3.45GHz帯を追加

AT&Tは、低い周波数の5Gが3億2,500万人以上・2万8,000以上の市町村を、中周波数の5G+が3億1,000万人以上をカバーするとしています。中周波数の5G+を使うにはバンドn77に対応した端末が必要です。2025年にはEchoStar社の3.45GHz帯を約2万3,000の基地局に展開し、2026年7月に同社からの周波数の取得を完了しました。

日本のスマートフォンで確認すること

端末のメーカー仕様表で、5Gのn71・n41・n77があるかを確認してください。600MHz帯(5Gはn71、LTEはバンド71)に対応していない端末は、T-Mobileの広域のエリアを生かせません。n77がない端末は、VerizonとAT&Tの中周波数の5Gを使えません。AT&Tが機器メーカー向けに公開している技術要件(2025年10月版)でも、LTEはバンド2・4・12、5Gはn2・n5・n66・n77を必須とし、欠けると網の上で大きなエリアの穴が生じると書かれています。

アメリカのキャリア別の速度とエリア:Ooklaの2026年上半期レポート

Ooklaが利用者の測定データから2026年1〜6月の米国のモバイル回線を評価した、主な結果は次のとおりです。

項目首位公表された数値
下り速度の中央値(全技術)T-Mobile275.55Mbps(2位AT&T 159.3Mbps)
5Gの下り速度の中央値T-Mobile314.38Mbps(2位Verizon 218.95Mbps)
上り速度・遅延(全技術)T-Mobile13.04Mbps・45ms
エリアの広さ(Coverage Score)Verizon30.4%
主に5Gでつながっている利用者の割合T-Mobile92.6%

T-Mobileは50州のうち47州で最速でした。一方で、地理的なエリアの広さを示す指標ではVerizonが首位です。都市部ではT-Mobileが速く、面の広さではVerizonが強いという構図が、公式の数値から読み取れます。

地方・ハワイ・アラスカで変わるアメリカのキャリアの差

同じレポートの州別の結果では、下り速度の中央値がもっとも遅いのはアラスカ(49.04Mbps)で、バーモント、ハワイが続きます。都市別でも、遅い順にアンカレッジ、ホノルル、ノースラスベガスでした。速度の全国平均が高くても、行き先によって体感は大きく変わります。ハワイへ行く場合はハワイのeSIMガイドもあわせて確認してください。

国立公園や長距離のドライブでは、速度よりも電波が届くかどうかが問題になります。国立公園の電波については、米国国立公園局の案内をアメリカのWi-Fi・通信事情で紹介しています。

FCCの地図で行き先のキャリア別エリアを確認する

FCCの「National Broadband Map」には、各事業者が報告したモバイル回線のエリアが載っています。FCCは、4G LTEや5Gのエリアを、屋外で静止している場合と車で移動している場合に分けて評価しています。見るときは次の点に注意してください。

  • エリアは電波の届き方を計算した予測で、実際には端末や基地局の混雑、地形で変わる
  • FCCの4G LTEの地図は「屋外で静止している状態」が前提で、屋内は対象外
  • 各社のサイトの地図は、ローミングなど別の前提で作られている場合があり、FCCの地図と一致しないことがある

行き先で1社しか届かない場所がないかを出発前に見ておくと、回線を選びやすくなります。

旅行用eSIMはアメリカのどのキャリアにつながるか:確認と切り替えの手順

旅行用eSIMの多くはアメリカのキャリアの回線を借りてつながり、接続先は商品ごとに違います。Coral eSIMのアメリカプランの商品ページでは、対応ネットワークとしてAT&T(5G)、Verizon(5G)、T-Mobile(5G)が表示されています(2026年9月26日時点)。表示はプランによって異なる場合があるため、購入するプランの欄で確認してください。

  1. 購入前:商品ページの対応ネットワーク欄で、つながるキャリア名と5G対応かを見る
  2. 端末の確認:仕様表でn71・n41・n77に対応しているかを見る。SIMロックの解除も必要(SIMロック解除の確認方法)
  3. 到着後:iPhoneは「設定」→「モバイル通信」で旅行用の回線を選び、「ネットワーク選択」の項目で接続中のキャリア名を確認する。Google Pixelは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」の「ネットワーク」で確認できる
  4. 遅いときや圏外のとき:プランが複数キャリアに対応していれば、自動選択をオフにして別のキャリアを手動で選ぶ。郊外ではエリアの広い回線、都市部では速い回線を試す
  5. 5Gの設定:iPhoneは「音声通話とデータ」で「5Gオート」を選べる。電池を優先したいときは「LTE」を選ぶこともできる

手動で選べるキャリアの範囲はプランによって異なります。圏外のままのときは到着後にeSIMがつながらないときの対処を、速度が出ないときの対処はeSIMが遅いときの対処法を参考にしてください。プランの対応ネットワークはCoral eSIMのアメリカプランで確認できます。

アメリカの携帯キャリアについてよくある質問

アメリカの携帯キャリアで一番速いのはどこですか?

Ooklaの2026年上半期のレポートでは、T-Mobileが最速でした。下り速度の中央値は全技術で275.55Mbps、5Gで314.38Mbpsです。全技術では2位がAT&T(159.3Mbps)、5Gでは2位がVerizon(218.95Mbps)でした。

アメリカで一番エリアが広いキャリアはどこですか?

Ooklaの同じレポートでは、地理的なエリアの広さを示すCoverage ScoreでVerizonが首位(30.4%)でした。行き先ごとの差は、FCCのNational Broadband Mapで事業者別に確認できます。

日本のスマートフォンでアメリカの5Gは使えますか?

周波数の対応によります。T-Mobileの5Gにはn71とn41、VerizonとAT&Tの中周波数の5Gにはn77が必要です。実際に5Gでつながるかは、プランの5G対応にもよります。

旅行用eSIMは、どのキャリアにつながるものを選べばいいですか?

都市部が中心なら速度で有利なT-Mobile、地方や長距離の移動が多いならエリアの広いVerizonにつながると安心です。複数のキャリアに対応したプランなら、場所に応じて切り替えられます。

接続しているキャリアを確認・変更するにはどうすればいいですか?

iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で確認できます。Google Pixelは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」の「ネットワーク」から確認できます。プランが複数のキャリアに対応していれば、自動選択をオフにして別のキャリアを選べます。

アメリカでは「行き先で強いキャリアに切り替えられるか」でeSIMを選ぶ

公式の数値を見ると、アメリカのキャリアは都市部の速度ではT-Mobile、エリアの広さではVerizonが強く、AT&Tは中周波数の5Gの拡大を進めています。3社とも得意な場所が違うため、旅行用eSIMは複数のキャリアに対応しているかを確認し、端末がn71・n41・n77に対応しているかを見ておくのが確実です。持ち運び型のルーターを使う方法はアメリカのポケットWiFiで比較しています。

アメリカで使えるプランと対応ネットワークはCoral eSIMのアメリカプラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。

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