タイ旅行のSIMカードは、スワンナプーム空港やドンムアン空港の到着エリアにあるキャリアの売り場で買えます。ただし、購入にはパスポートの原本が必要で、2025年8月18日からは顔をその場で確認する本人登録(Liveness Detection)が新規のSIM全体に義務づけられました。さらに観光客向けSIMは最長60日までで、1ブランドあたりの枚数にも上限があります。この記事では、タイ政府の広報機関と、AIS・True・dtacの公式情報をもとに、タイで現地SIMカードを買う前に知っておきたい条件と売り場を整理します。
空港の売り場に並ばずに、着陸した時点でデータ通信を始めたい場合は、日本で設定しておけるタイ向けeSIMがあります。Coral eSIMのタイプランから、滞在日数に合う容量を選べます。
タイ旅行のSIMカードは「パスポート原本と顔の確認」が前提
タイでは、プリペイドのSIMであっても契約者の本人登録が法律上の義務です。規制機関のNBTC(国家放送通信委員会)は本人確認のルールを段階的に強めており、旅行者に関係する点は次の3つです。
2025年8月18日から新規SIMは顔の確認が必須に
タイ政府広報局(PRD)によると、NBTCは2025年8月18日から全国で、新規にSIMを契約する人(プリペイド・ポストペイドとも)と、番号をそのままにSIMを交換する人に、Liveness Detectionによる本人確認を義務づけました。写真を撮るだけだった従来の方法と違い、カメラの前でまばたきをしたり静止したりして、写真や動画ではない本人であることを確認する仕組みです。
タイ国籍以外の人はパスポートの原本で登録します。手続きはキャリアのアプリ、サービスセンター、認定された販売店で行うとされています。コピーやスマートフォンで撮った写真では手続きできないと考えておきましょう。
観光客向けSIMは最長60日
タイ政府広報局のラジオ局は2026年2月、観光客向けSIMの利用期間を60日までに限っていると伝えています。犯罪グループに悪用されるのを防ぐための措置です。キャリア側も同じ扱いで、True・dtacの利用規約は観光客向けSIMの有効期間は60日を超えないと定めています。AISは、有効化から60日を超えて使い続けたい外国人旅行者に、SMSでパスポート番号を送るか、AISの店舗で本人確認をやり直すよう案内しています。
1人が買える枚数には上限がある
True・dtacの利用規約では、観光客向けSIMは1人あたり1ブランド3枚までです。家族全員の分を1人のパスポートでまとめて買うことはできないので、SIMを使う人がそれぞれパスポートを持って売り場に行く必要があります。なお、タイ政府広報局は18歳未満のSIM登録に保護者の同意を求める措置も伝えていますが、外国人旅行者に同じ運用が適用されるかは公式情報で確認できませんでした。子どもの分を買う場合は、保護者が同行して手続きしてください。
タイ旅行のSIMカードを買える場所:スワンナプーム・ドンムアン・市内
スワンナプーム空港:手荷物受取エリアに売り場が並ぶ
AISの公式サイトは、スワンナプーム空港の観光客向けSIMの売り場として、2階の手荷物受取エリア(ターンテーブル付近)の十数か所、到着ビザの窓口付近、コンコースの各所、4階の国内線エリアなどを載せています。手荷物受取エリアは税関を出る前の場所なので、荷物を待つ間に手続きできます。True・dtacは、空港の売り場で24時間販売していると案内しています。
ドンムアン空港と地方の空港
AISはドンムアン空港のほか、チェンマイ、チェンライ、サムイ、ハジャイ、プーケットの各空港にも売り場を掲載しています。LCCでドンムアン空港に着く場合も、空港で買うことはできます。ただし、売り場の正確な位置は公式情報の表記が一定しないため、到着後に案内表示で確認してください。
市内の直営店とコンビニ
空港で買いそびれても、各社の直営店で購入できます。True・dtacの公式サイトは、観光客向けSIMの販売先として空港の店舗のほか、BTS・MRTの駅近くの店舗やセブン-イレブンなどのコンビニを挙げています。どの窓口でも、パスポート原本による本人登録が必要な点は同じです。
タイのSIMカードはAIS・True・dtacの3ブランド
観光客向けSIMを売っている主なブランドは、AIS、True、dtacの3つです。ただしTrueとdtacは、2023年3月1日に合併して1つの会社(True Corporation)になりました。現在は同じ会社がTrueとdtacの2ブランドで観光客向けSIMを販売しており、利用規約も共通です。
- AIS:観光客向けSIMとツーリストeSIMを販売。空港の売り場の数が多い
- True:True Corporationのブランド。空港の店舗、直営店、コンビニ、オンラインで販売
- dtac:同じくTrue Corporationのブランド。空港の店舗とコンビニで販売し、ツーリストeSIMも扱う
どのキャリアも、データ無制限や日数別のプランを用意しています。電波の強さや5GのエリアについてはタイのWi-Fi事情と通信環境で解説しています。
タイの観光客向けSIMカードでできないこと
買ってから困らないように、利用規約に書かれている制限を確認しておきましょう。True・dtacの規約では、次の点が定められています。
- スマートフォン専用:ルーターやSIMボックスなど、携帯電話以外の機器で使うことは禁止。ポケットWi-Fiに差して家族で分けるといった使い方はできない
- データ専用SIMは発信できない:データ専用タイプは電話の発信とSMSの送信ができない。着信とSMSの受信はできる
- 期限切れ後はチャージで延長できない:有効期間が切れたあとは、店舗かコールセンターでパスポートによる本人確認をやり直す必要がある
- タイ国内専用:特典はタイ国内のみで、国際ローミングは含まれない
周辺国と合わせて回る旅程では、タイを出た時点で現地SIMは使えなくなります。
キャリアのツーリストeSIMという選択肢
AISとTrue・dtacは、観光客向けSIMと同じ内容のプランをeSIMでも販売しています。AISは専用の購入ページ、True・dtacは自社のオンラインストアと提携サイトで扱っています。eSIMならSIMカードの差し替えが要らず、日本のSIMを抜いて保管する必要もありません。
ただし、オンラインで買ったツーリストeSIMでどのように本人確認を行うかは、公式情報では確認できませんでした。60日の上限や1ブランド3枚の上限は、SIMカードと同じ規約の対象です。日本の旅行用eSIMとの違いは、日本にいるうちに設定を終えられるかどうかにあります。
空港でタイのSIMカードを買う前に確認すること
- スマートフォンのSIMロックが解除されているか:ロックがかかっていると現地SIMは使えません(SIMロック解除の確認方法)
- パスポートの原本を手元に出せるか:顔の確認とあわせて原本での登録が必要です
- 日本のSIMをどう扱うか:SIMカードを差し替える場合は、抜いた日本のSIMをなくさないように保管します。日本の番号でSMSを受け取りたい場合は、2枚のSIMを併用する設定が便利です(海外旅行でデュアルSIMを使う設定)
- 到着前に必要な通信を済ませたか:タイでは入国前にTDAC(デジタル入国カード)の提出が必要です。売り場に並ぶ前に通信が必要になる場面もあります(タイ旅行の準備ガイド)
こうした手続きを空港で行わずに済ませたい場合は、出発前にCoral eSIMのタイプランを設定しておけば、機内モードを解除した時点で通信が始まります。
タイ旅行のSIMカードと、日本で用意するeSIMの選び方
現地SIMが向いているのは、タイの電話番号が必要な人や、60日近い長めの滞在で、空港の売り場で手続きする時間を取れる人です。現地のキャリアの回線をそのまま使え、タイ国内の通話も付いたプランがあります。
一方、到着後すぐに配車アプリやホテルへの連絡を使いたい人、SIMカードを差し替えたくない人、子ども連れで家族全員の本人登録に時間をかけたくない人には、日本で設定しておけるeSIMが向いています。空港でSIMを買う場合とeSIMの比較は空港でSIMを買うのとeSIMはどっちがいい?、タイでのeSIMの使い方はタイ旅行のeSIM完全ガイドで詳しく解説しています。
タイ旅行のSIMカードについてよくある質問
タイのSIMカードはパスポートのコピーで買えますか?
買えません。タイ国籍以外の人はパスポートの原本で登録する必要があり、2025年8月18日からは新規のSIM契約でその場の顔の確認(Liveness Detection)も義務づけられています。売り場にはパスポートを持って行ってください。
スワンナプーム空港ではどこでSIMカードを買えますか?
AISは2階の手荷物受取エリアの十数か所などに売り場を掲載しています。税関を出る前に買えるので、荷物を待つ間に手続きできます。True・dtacも空港の店舗で24時間販売していると案内しています。
タイの観光客向けSIMは何日まで使えますか?
最長60日です。タイ政府は観光客向けSIMの利用を60日までに限っており、True・dtacの規約も有効期間は60日を超えないとしています。期限が切れたあとはチャージでは延長できず、パスポートによる本人確認をやり直す必要があります。
タイのSIMカードをポケットWi-Fiに入れて使えますか?
True・dtacの利用規約では、観光客向けSIMはスマートフォン専用で、ルーターなど携帯電話以外の機器での使用は禁止されています。複数人で回線を分けたい場合は、各自がSIMかeSIMを用意するか、スマートフォンのテザリングを使います。
家族の分のSIMカードをまとめて買えますか?
True・dtacの規約では1人あたり1ブランド3枚までで、登録は使う人本人のパスポートで行います。家族それぞれがパスポートを持って売り場で手続きする必要があります。
タイ旅行のSIMカードは「本人登録の手間」まで含めて選ぶ
タイの現地SIMは、空港で手軽に買えるものから、パスポート原本と顔の確認を経て登録するものに変わりました。観光客向けSIMは最長60日、1ブランド3枚まで、スマートフォン専用といった条件もあります。タイの電話番号が必要で、空港で手続きする時間が取れるなら現地SIM、到着した瞬間から通信したいなら日本で設定するeSIM。この基準で選べば、空港で迷うことはありません。
タイで使えるプランはCoral eSIMのタイプラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。
