結論: 2026年のタイ観光でまず押さえるべきは、スポットの数ではなく手続きです。到着3日前からのTDAC(タイ・デジタル入国カード)の登録が全外国人に義務づけられ、ノービザ滞在は60日から30日へ短縮される方向で手続きが進んでいます。大麻の扱いも2025年に元に戻りました。この3点を先に片づけてから、バンコク・北部・南部のどこに何泊置くかを決めるのが、いまのタイ旅行の正しい順番です。

タイ観光の準備はTDACの登録から始まる

タイ入国管理局は2025年5月1日に紙の入国カード(TM6)を廃止し、オンラインで事前提出するThailand Digital Arrival Card(TDAC)に切り替えました。対象はタイ国籍者以外のすべての渡航者で、乳幼児や子どもも1人ずつ必要です。空路だけでなく陸路・海路の入国にも適用されます。

公式FAQで明示されている要点は次のとおりです。

  • 提出できるのは到着日を含む3日前から(およそ72時間前から)。旅行を申し込んだ直後には出せません
  • 登録先は入国管理局の公式サイト tdac.immigration.go.th。手数料はかかりません
  • 入国のたびに新しい提出が必要。周遊でタイに再入国するなら、その回数だけ登録します
  • 入国審査を通らない乗り継ぎだけなら不要。ただし空港の外に出るなら必要です
  • 提出後に訂正できるのは旅程や滞在先など。氏名・パスポート番号・国籍・生年月日は修正機能では変えられず、新規に出し直します

実務上の落とし穴は、滞在先の住所欄です。到着3日前の時点でホテルが確定していないと登録できません。周遊型の旅程を組む人ほど、初日の宿だけは早めに確定させておくと詰まりません。完了メールのQRコードは、機内モードでも出せるようスクリーンショットで端末に保存しておきます。

ノービザ滞在30日への短縮とタイ観光の日程の組み方

日本国籍の旅行者は2024年7月15日から、観光目的で最長60日のビザ免除滞在ができるようになっていました。この枠が縮む方向で手続きが進んでいます。

ジェトロの報道によれば、タイ内閣は2026年5月19日にビザ免除制度の見直しを承認し、7月に関連する内務省告示を承認しました。日本は引き続き免除の対象ですが、観光目的の免除は30日に一本化されます。告示は官報に掲載された日から15日後に発効する仕組みで、本記事の確認時点(2026年8月27日)では掲載が確認できず、施行日は未定です。

旅行者として取るべき対応ははっきりしています。

  1. 2週間以内の一般的な旅行なら、30日でも60日でも影響はありません。予定どおり進めて構いません
  2. 1か月を超える長期滞在や、タイを拠点にした周辺国の周遊を考えているなら、出発の直前にもう一度確認する。発効まで15日しかないため、申し込み時点の情報が古くなり得ます
  3. 確認先は在東京タイ王国大使館かタイ国政府観光庁の案内。旅行会社のまとめ記事は更新が遅れることがあります

なお、施行前に入国して60日の滞在許可を受けた場合、その許可自体は与えられた期間まで有効とされています。入国スタンプに書かれた日付が自分の期限であり、制度の説明文ではありません。

エリアで考えるタイ観光の組み立て方

タイは南北に長く、移動時間が旅程を支配します。スポットを並べるより、拠点をいくつ置くかで考えるほうが失敗しません。

バンコク:1泊でも3泊でも成立する拠点

ワット・プラケオと王宮、ワット・ポー、ワット・アルンの3寺院はチャオプラヤー川沿いに固まっており、ボートを使えば半日で回れます。市内はBTS・MRTが整備され、渋滞を避けるなら鉄道の駅を基準に宿を選ぶのが定石です。寺院は肩と膝が隠れる服装が必要で、これは信仰上の決まりなので現地で借りるより持参が確実です。

チェンマイと北部:涼しさと寺院、そして乾季の空気

バンコクから空路で約1時間15分。旧市街に寺院が密集し、徒歩でも回れる規模感が魅力です。ただし2月から4月にかけては農業由来の煙害(ヘイズ)で大気質が悪化する年があります。呼吸器に不安がある人や小さな子ども連れは、この時期を外すか、行き先を南部に振り替える判断が要ります。

プーケット・クラビ・サムイ:季節が真逆になる南部

アンダマン海側(プーケット、クラビ、ピピ島)は11月から4月が乾季で海が穏やか、タイ湾側(サムイ、パンガン)は逆に10月から12月が雨季です。同じ「タイの南」でもベストシーズンが半年ずれるのがこの国の特徴で、日程が動かせないなら行き先のほうを海側で選び直すほうが満足度は高くなります。

アユタヤとカンチャナブリ:バンコクからの日帰り

アユタヤは鉄道またはバンコクからの車で1時間半ほど。遺跡群は日陰が少なく、午前中に回って午後は屋内に逃げる組み立てが現実的です。カンチャナブリは片道3時間近くかかるため、日帰りにすると移動が旅程の大半を占めます。

観光中に効いてくるタイの現地ルール

旅行会社の特集記事に載りにくく、しかし現地で確実に関わってくるのが規制の話です。

大麻は2022年の非犯罪化から方向転換しました。タイ保健省は2025年6月に大麻の花穂を規制対象の薬草に再指定し、有資格者の処方なしでの購入・所持・使用ができなくなりました。同年9月には医療用途の対象疾患も絞られています。街なかに残る店の看板だけを見て「合法」と判断するのは危険です。

さらに日本側の事情があります。2024年12月12日施行の改正で大麻は麻薬及び向精神薬取締法上の麻薬に位置づけられ、使用そのものが処罰対象になりました。政府広報オンラインは、国外で使用した場合も罰せられると明記しています。タイで手を出す実益はありません。

このほか、酒類の販売時間には時間帯規制があり、仏教の祝日には販売が停止されます。喫煙は一部のビーチで禁止され、電子タバコ(加熱式を含む)は持ち込み自体が違法とされている点も見落とされがちです。渡航前には外務省 海外安全ホームページのタイのページに一度目を通しておきます。

タイ観光の足元を支える通信手段の選び方

ここまでの手続きは、すべて端末がネットにつながっている前提で成り立っています。TDACのQRコードの提示、配車アプリでの移動、島への船便の変更連絡、寺院の閉門時間の確認。タイの旅程は通信が切れた瞬間に組み直しが利かなくなります。

空港での現地SIM購入は、到着ロビーの行列と身分証登録の手間が読めません。出発前に有効化まで済ませられるeSIMなら、着陸してスマートフォンの機内モードを解除した時点で回線がつながり、そのまま入国審査の列でTDACのQRコードを開けます。バンコク市内でもBTS車内や地下のMRTでの接続の安定性は事業者差が出るため、複数人の旅行ならテザリングの可否も確認しておくと安心です。

FAQ

TDACはいつから登録できますか

タイ到着日を含む3日前からです。それより早くは提出できません。出発の2日前あたりに、滞在先の住所とフライト番号を手元に用意して登録するのが現実的なタイミングです。

TDACの登録に費用はかかりますか

公式サイトでの登録は無料です。手数料を請求する代行サイトが検索結果に混ざることがあるため、ドメインが tdac.immigration.go.th であることを必ず確認してください。

タイ観光のビザ免除は30日になったのですか

2026年8月27日時点では、内閣が方針を承認し内務省告示の官報掲載を待つ段階です。告示は掲載の15日後に発効します。1か月を超える滞在を予定しているなら、出発直前に在東京タイ王国大使館の案内で施行状況を確認してください。

タイ観光のベストシーズンはいつですか

バンコクと北部は11月から2月が乾季で過ごしやすく、南部は海域で異なります。アンダマン海側は11月から4月、タイ湾側のサムイは10月から12月が雨季にあたります。日程が固定なら、行き先の海を選び直すほうが確実です。

タイでスマートフォンをネットにつなぐ方法は何が確実ですか

入国審査でTDACのQRコードを開く必要があるため、着陸時点でつながる手段が要ります。出発前に設定を終えられるeSIMなら、機内モードを解除するだけで通信が始まります。空港でのSIM購入は行列と登録手続きの時間が読めません。

タイ観光の質を決めるのは、行き先より手続きと接続の段取り

タイの観光情報は十分に出回っています。不足しているのは、2025年から2026年にかけて変わった入国手続きと規制を、旅程に落とし込む視点のほうです。TDACは到着3日前から、ビザ免除の日数は出発直前に再確認、大麻には触れない。この3つを先に決めてしまえば、あとはバンコクに何泊置くかという楽しい問題だけが残ります。そして、その全部を成立させているのが、着陸した瞬間からつながる通信です。オフライン地図の準備と合わせて、出発前に片づけておいてください。

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