タイの携帯キャリアは、AIS、TrueMove H(True)、dtacの3ブランドが中心です。ただし、Trueとdtacは2023年に合併して同じ会社になり、2025年10月には2つのブランドの回線も1つのネットワークに統合されました。旅行者の目線では、タイの回線は実質的に「AIS」と「True・dtac」の2系統です。契約数は2026年第2四半期時点でAISが4,710万、True Corporationが4,860万とほぼ互角で、5Gの主力はどちらも2600MHz帯(バンドn41)です。この記事では、各社の決算発表と公式情報、Ooklaの速度データをもとにタイのキャリアの違いを整理し、旅行用eSIMがどの回線につながるかを確かめる方法を説明します。

タイで使う回線を出発前に用意しておくなら、Coral eSIMのタイプランから滞在日数に合う容量を選べます。対応するネットワークは商品ページに表示されています。

タイの携帯キャリアは3ブランド、運営会社はAISとTrueの2社が中心

タイの主な携帯キャリアの顔ぶれは次のとおりです。契約数は各社が2026年8月に公表した第2四半期の業績によります。

ブランド運営会社携帯の契約数うち5G
AISAdvanced Info Service4,710万1,970万
TrueMove H・dtacTrue Corporation4,860万(2ブランド合計)1,930万

True Corporationは、2023年3月1日にTrueとdtacが合併してできた会社です。合併後もTrueMove Hとdtacの2つのブランドは残っており、観光客向けSIMもそれぞれの名前で売られています。もう1社、国営のNT(National Telecom)は、2021年にTOTとCATが統合してできた通信会社です。NTは700MHz帯の免許を持ち、その一部をAISの子会社に使わせて、AISが基地局を建てる協業を2023年から進めています。NTの契約数は公式資料で確認できませんでした。

現地SIMの購入ルールや空港の売り場はタイ旅行のSIMカードにまとめています。

TrueとdtacのOne Network:どちらのキャリア名でも同じ電波

Trueは2025年10月10日の発表で、Trueとdtacの回線を「1つの統合されたネットワーク」にしたと説明しています。両ブランドの周波数をまとめて使う仕組みで、TrueMove Hの契約者もdtacの契約者も、同じ基地局と周波数を共有して使う形になりました。

旅行者にとっての意味は、端末のネットワーク選択画面に「TrueMove H」と「DTAC」の両方が表示されても、実際の電波はほぼ同じ網から来ているという点です。つながりにくいときにTrueMove HとDTACを切り替えても、改善しない可能性があります。回線を変えて試すなら、True系からAISへ、またはAISからTrue系へ切り替えるのが意味のある比較になります。

なお、TrueがNTと共同で使っていた850MHz帯は、2025年8月3日に契約が終わりました。Trueは、これによってSIMが使えなくなることはないと案内しています。

タイのキャリアの5Gは2600MHz帯(n41)が主力

AISは2020年の周波数オークションで、700MHz帯、2600MHz帯(100MHz幅)、26GHz帯を獲得し、同じ2020年2月に2600MHz帯で5Gを始めました。AISの公式FAQでも、5Gは700MHz・2600MHz・26GHzの3つの帯域で提供していると説明されています。Trueも2600MHz帯で5Gを運用しており、2025年10月には2600MHz帯の90MHz幅をまとめて使う5Gと、2300MHz帯を組み合わせる試験を発表しています。

2600MHz帯は国際規格の5Gバンド「n41」、700MHz帯は「n28」にあたります。日本や韓国の5Gで主に使われる3.5GHz帯(n78)とは違う帯域です。日本の5Gにつながっている端末でも、n41に対応していなければタイでは5Gをつかめず、4Gで通信することになります。

日本のスマートフォンで確認すること

  • 5Gのバンド:メーカーの仕様表で「n41」があるかを見る。広いエリアをカバーする700MHz帯の5Gを使うには「n28」も必要
  • SIMロック:ロックがかかっていると旅行用eSIMは使えない(SIMロック解除の確認方法)
  • 5Gに対応したプランか:端末がn41に対応していても、プランが4Gまでなら5Gにはつながらない

各社は2025年にもTrueが2300MHz帯と1500MHz帯、AISが2100MHz帯の免許を新たに取得しており、4G・5Gで使う周波数は増えています。

タイのキャリア別の速度とエリア:公式発表とOokla

5Gのエリアについて、AISは2025年通期の業績発表(2026年2月)で5Gが人口の95%超をカバーしているとしています。Trueは「2026年までに5Gの人口カバー率を98%に広げる」という目標を公表していますが、達成した数値は公式資料で確認できませんでした。

速度については、Ooklaの「Speedtest Global Index」で国全体の値を確認できます。2026年8月のタイのモバイル通信は、下りの中央値が134.45Mbps、上りが24.68Mbps、遅延が20msで、世界26位でした。同じ月の世界全体の中央値は172.04Mbpsです。地図や配車アプリ、SNSの動画には十分な速さといえます。

キャリア別では、AISが2026年3月の発表で、Ooklaの2025年下半期の評価で「Best Mobile Network」と「Best 5G Network」に選ばれたとしています。ただし、これはAIS自身の発表で、キャリアごとの数値はOoklaの公開ページでは確認できませんでした。タイ政府の規制機関NBTCによるキャリア別の品質測定の結果も、公式サイトで確認できていません。キャリア間の速度差を数字で断定できる一次情報は、現時点では限られています。

フリーWi-Fiの事情や、到着前に通信が必要になるTDACの手続きはタイのWi-Fi事情で解説しています。

旅行用eSIMはタイのどのキャリアにつながるか:確認の手順

海外旅行用のeSIMは、多くがタイのキャリアの回線を借りる形でつながります。つながる先は商品ごとに違い、1社だけのものも、複数社に対応するものもあります。Coral eSIMのタイプランの商品ページでは、対応ネットワークとしてAIS(5G)、TrueMove H(5G)、DTAC(5G)が表示されています(2026年9月26日時点)。表示はプランによって異なる場合があるため、購入するプランの欄で確認してください。

  1. 購入前:商品ページの対応ネットワーク欄で、つながるキャリア名と5G対応かを見る
  2. 端末の確認:仕様表でn41(とn28)に対応しているかを見る
  3. 到着後:iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で、接続中のキャリア名が表示される。Androidは機種ごとに表記が違うが、SIMの設定にある「ネットワーク事業者」などで確認できる
  4. 遅いとき:自動選択をオフにして、AISとTrue系(TrueMove H・DTAC)を切り替えて比べる。TrueMove HとDTACの間の切り替えは、同じ網のため差が出にくい
  5. APNは触らない:通常はeSIMを入れるだけで設定される。案内で指定がある場合だけ変更する(eSIMのAPN設定)

到着後の切り替えの流れはタイのeSIMガイドを、速度が出ないときの対処はeSIMが遅いときの対処法を参考にしてください。プランの対応ネットワークはCoral eSIMのタイプランで確認できます。

タイの携帯キャリアについてよくある質問

タイの携帯キャリアで一番速いのはどこですか?

キャリア別の速度を比べた公的な測定結果は、公式サイトで確認できませんでした。AISは、Ooklaの2025年下半期の評価で「Best Mobile Network」と「Best 5G Network」に選ばれたと発表しています。国全体では、2026年8月のモバイル通信の下り中央値が134.45Mbpsです。

TrueMove Hとdtacは別の回線ですか?

2つのブランドは同じTrue Corporationが運営しており、2025年10月に回線が1つのネットワークに統合されました。どちらの契約者も同じ基地局と周波数を共有しています。回線を変えて試すなら、True系とAISの間で切り替えるのが有効です。

日本のスマートフォンでタイの5Gは使えますか?

タイの5Gの主力は2600MHz帯(バンドn41)で、AISは700MHz帯(n28)も使っています。端末の仕様表にn41があれば、周波数の面では使えます。日本の5Gで主に使うn78とは違うため、事前に確認してください。

旅行用eSIMは、どのキャリアにつながるものを選べばいいですか?

AISとTrue系の両方に対応していれば、つながりにくいときに切り替えて試せます。まず5G対応のプランかを確認し、次に商品ページの対応ネットワーク欄でキャリア名を見てください。Coral eSIMのタイプランの商品ページには、AIS・TrueMove H・DTACの5Gが表示されています。

接続しているキャリアを確認・変更するにはどうすればいいですか?

iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で確認できます。自動選択をオフにすると、表示された一覧から別のキャリアを選べます。Androidは機種によって表記が異なり、SIMの設定の「ネットワーク事業者」などから確認します。

タイでは「AISかTrue系か」と「n41対応の端末か」でeSIMを選ぶ

タイの携帯キャリアは3ブランドに見えますが、TrueMove Hとdtacは同じ網になり、旅行者が選ぶ意味があるのはAISとTrue系の2つです。どちらも5Gの主力は2600MHz帯(n41)で、国全体の速度も日常の用途には十分です。そのため、旅行用eSIMはまず端末がn41に対応しているかを確かめ、次にプランがAISとTrue系のどちらに、あるいは両方につながるかを見ておくのが確実です。到着後は「ネットワーク選択」で接続先を一度確認し、遅いときはAISとTrue系を切り替えて比べてください。

タイで使えるプランと対応ネットワークはCoral eSIMのタイプラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。

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