韓国の携帯キャリアは、SKテレコム(SKT)、KT、LG U+の3社です。韓国政府が2025年に行った通信品質評価では、5Gの平均下り速度はKTが1,030.25Mbps、SKTが1,024.5Mbpsでほぼ並び、LG U+は865.88Mbpsでした。ただし、ウェブ検索やSNSの動画程度の速度であれば、3社とも99%以上の測定で必要な速度を満たしています。旅行者にとって差が出るのは、電波がLTEに切り替わったときと、KTXなどで移動しているときです。この記事では、韓国の科学技術情報通信部(MSIT)が公表した数値をもとに3社の違いを整理し、旅行用eSIMがどのキャリアにつながるかを確かめる方法を説明します。

韓国で使う回線を出発前に用意しておくなら、Coral eSIMの韓国プランから滞在日数に合う容量を選べます。対応するネットワークは商品ページに表示されています。

韓国の携帯キャリアは3社、格安SIM(알뜰폰)は3社の回線を借りている

MSITの統計(2026年6月末)によると、韓国の携帯電話の回線数は合計約5,763万回線です。事業者別の内訳は次のとおりです。

事業者携帯電話の回線数割合
SKテレコム(SKT)約2,250万39.0%
KT約1,339万23.2%
LG U+約1,124万19.5%
格安SIM(MVNO)約1,049万18.2%

全体の68.3%にあたる約3,935万回線が5Gです。韓国で「알뜰폰(アルトゥルポン)」と呼ばれる格安SIMは、自前の電波を持たず、3社のどれかの回線を借りています。借りている回線の内訳は、LG U+の回線が約456万、KTの回線が約405万、SKTの回線が約188万です。つまり、格安SIMを選んでも、実際に電波を出しているのはSKT・KT・LG U+のいずれかです。現地でSIMを買う方法は韓国で現地SIMカードを買う方法にまとめています。

韓国キャリア3社の5Gは、すべて3.5GHz帯(n78)を使っている

韓国の5Gは、3社とも3.5GHz帯を主力にしています。2018年の周波数オークションで、LG U+が3.42〜3.5GHz、KTが3.5〜3.6GHz、SKTが3.6〜3.7GHzを割り当てられました。当初LG U+だけ80MHz幅でしたが、2022年に隣の3.40〜3.42GHzが追加で割り当てられ、現在は3社とも100MHz幅です。

この周波数は、国際規格ではバンド「n78」(3.3〜3.8GHz)の範囲に入ります。端末がn78に対応していれば、周波数の面ではどのキャリアの5Gもつかめます。対応バンドは、メーカーの仕様表で「n78」があるかを見れば確認できます。

韓国の5Gは「LTEと一緒に使う方式」が中心

韓国の5Gの多くは、NSA(ノンスタンドアローン)と呼ばれる、LTEの電波と組み合わせて使う方式です。MSITは2025年12月の発表で、多くの事業者がNSA中心でサービスしていると説明し、周波数の再割り当ての条件として、5Gだけで動くSA(スタンドアローン)方式への移行を義務づけました。KTは2021年から、SA対応の端末にはSA方式で5Gを提供しています。

NSAでは、5Gの通信にもLTEの電波が使われます。そのため、5G表示のときの快適さにも、LTE側の品質が関係します。韓国のLTEには1.8GHz、2.1GHz、2.6GHzなどの周波数が使われており、国際規格ではバンド3、1、7にあたります。

韓国キャリア別の通信速度:政府の2025年品質評価

MSITと韓国知能情報社会振興院(NIA)は、毎年キャリア別の通信品質を測って公表しています。2025年の評価は、全国600か所で7月から12月に測定したものです。端末はサムスンのGalaxy S24 Ultraを使い、5GとLTEを同時に測る方法に変わりました。

項目SKTKTLG U+
5G 平均下り速度1,024.5Mbps1,030.25Mbps865.88Mbps
5G 平均上り速度94.56Mbps78.37Mbps78.72Mbps
5G 遅延時間18.51ms19.24ms27.23ms
5G 100Mbps以上を満たした割合98.39%97.88%98.28%
LTE 平均下り速度119.36Mbps88.38Mbps80.79Mbps
LTE 45Mbps以上を満たした割合82.16%72.04%68.45%

5Gでは、KTとSKTがほぼ同じ速さで、LG U+がやや遅い結果です。一方で、ウェブ検索に必要な5Mbps、SNSの短い動画に必要な20Mbpsは、全国で99%以上の測定が満たしています。5Gにつながっている限り、どのキャリアでも地図や配車アプリで困る速度ではありません。

差が大きいのはLTEです。SKTのLTEは平均119Mbpsで、KTとLG U+を3割以上上回りました。ビデオ会議に必要な45Mbpsを満たした割合も、SKTが82%に対してLG U+は68%です。建物の奥や地下などで5GからLTEに切り替わる場面では、キャリアによる体感の差が出やすくなります。

場所で変わる韓国キャリアの差:ソウル・地下鉄・KTX・地方

同じ評価の地域別・路線別の5G平均下り速度は次のとおりです。

場所SKTKTLG U+
ソウル1,147.88Mbps1,118.64Mbps965.95Mbps
釜山1,214.48Mbps1,209.04Mbps926.65Mbps
済州1,056.31Mbps995.86Mbps839.77Mbps
地下鉄の車内959.91Mbps952.52Mbps873.58Mbps
高速鉄道(KTX・SRT)374.53Mbps381.34Mbps423.16Mbps
農漁村623.71Mbps643.86Mbps584.84Mbps

都市部ではSKTとKTが速く、LG U+は少し下がります。ところが高速鉄道ではLG U+がもっとも速い結果でした。高速鉄道は3社とも弱く、100Mbps以上を満たした割合は81.44%にとどまります。KTXの天安牙山〜五松、五松〜大田などの区間は、5Gの品質が基準に届かない区間として公表されています。ソウルから釜山へKTXで移動する日は、車内で大きなファイルを扱わない前提で計画しておくと安心です。

地方では3社が同じ5G網を使う地域がある

農漁村の一部では、3社が地域を分担して5Gの基地局を建て、互いに使い合う「共同網」を運用しています。SKTが世宗・忠清南道・慶尚南道など、KTが慶尚北道・江原道など、LG U+が全羅南道・全羅北道・済州の一部などを担当しています。こうした地域では、どのキャリアの回線を使っていても、実際には同じ5G網につながります。地方ではキャリアの選び方より、電波の届く範囲かどうかのほうが重要です。

旅行用eSIMは韓国のどのキャリアにつながるか:確認の手順

海外旅行用のeSIMは、多くが韓国のキャリアの回線を借りる形でつながります。どのキャリアにつながるかは商品ごとに異なり、1社だけのものも、複数社に対応するものもあります。Coral eSIMの韓国プランの商品ページでは、対応ネットワークとしてSKTelecom(5G)とLG Uplus(5G)が表示されています(2026年9月26日時点)。表示はプランごとに異なる場合があるため、購入するプランの欄で確認してください。

  1. 購入前:商品ページの対応ネットワーク欄で、つながるキャリア名と5G対応かを見る
  2. 端末の確認:仕様表でn78(5G)と、バンド1・3・7(LTE)に対応しているかを見る。SIMロックの解除も必要(SIMロック解除の確認方法)
  3. 到着後:iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で、接続中のキャリア名が表示される。Androidは機種ごとに表記が違うが、SIMの設定にある「ネットワーク事業者」などで確認できる
  4. 遅いとき:プランが複数キャリアに対応していれば、自動選択をオフにして別のキャリアを手動で選ぶ。LTEでつながっている場面ではSKTを選ぶと改善することがある
  5. APNは触らない:通常はeSIMを入れるだけで設定される。案内で指定がある場合だけ変更する(eSIMのAPN設定)

eSIMの入れ方と、到着後の切り替えの流れは韓国eSIMの設定ガイドを、速度が出ないときの対処はeSIMが遅いときの対処法を参考にしてください。プランの対応ネットワークはCoral eSIMの韓国プランで確認できます。

韓国の携帯キャリアについてよくある質問

韓国の携帯キャリアで一番速いのはどこですか?

韓国政府の2025年の品質評価では、5Gの平均下り速度はKTが1,030.25Mbps、SKTが1,024.5Mbpsでほぼ同じで、LG U+は865.88Mbpsでした。LTEではSKTが119.36Mbpsで、KTとLG U+を大きく上回っています。高速鉄道の車内に限ると、LG U+がもっとも速い結果でした。

旅行用eSIMは、どのキャリアにつながるものを選べばいいですか?

まず5Gに対応しているかを優先してください。5Gであれば、3社とも日常的な使い方で困る速度ではありません。LTEに切り替わる場面ではSKTが有利です。どのキャリアにつながるかは商品ページの対応ネットワーク欄で確認できます。

韓国の格安SIM(알뜰폰)は3社より遅いですか?

格安SIMは自前の電波を持たず、SKT・KT・LG U+のいずれかの回線を借りています。政府の品質評価は3社の回線を対象にしており、格安SIMの事業者ごとの結果は公表されていません。どの回線を借りているかを確認するのが目安になります。

日本のスマートフォンで韓国の5Gは使えますか?

韓国の3社はいずれも3.5GHz帯(バンドn78)で5Gを提供しています。端末がn78に対応していれば、周波数の面では使えます。実際に5Gでつながるかは、使うプランが韓国で5Gに対応しているかによります。

接続しているキャリアを確認・変更するにはどうすればいいですか?

iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で確認できます。プランが複数のキャリアに対応していれば、自動選択をオフにして、表示された一覧から別のキャリアを選べます。Androidは機種によって表記が異なり、SIMの設定の「ネットワーク事業者」などから確認します。

韓国では「どのキャリアか」より「5Gでつながるか」でeSIMを選ぶ

政府の評価を見る限り、韓国の3社の5Gはいずれも速く、都市部や地下鉄で旅行者が不便を感じる差はほとんどありません。差が出るのはLTEに切り替わったときと、KTXのような移動中です。そのため、旅行用eSIMはまず5Gに対応しているかを確認し、次に対応ネットワークのキャリア名を見て、LTEに落ちたときの回線を把握しておくのが確実です。到着後は端末の「ネットワーク選択」で、どのキャリアにつながっているかを一度確かめておきましょう。Wi-Fiの事情は韓国の通信環境とフリーWi-Fi事情、複数人で回線を分け合う方法は韓国のポケットWiFiで解説しています。

韓国で使えるプランと対応ネットワークはCoral eSIMの韓国プラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。

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