設定アプリでEIDという番号が表示されれば、その端末はeSIMのハードウェアを積んでいます。iPhoneなら「設定」→「一般」→「情報」、Android(Pixel)なら「設定」→「デバイス情報」→「SIM のステータス」で確認できます。ただしEIDが見えただけでは「使える」とは確定しません。同じ機種名でも購入した国によって対応が変わる例が公式に存在し、さらに端末のロック状態という別の関門があるためです。ここでは公式情報だけを根拠に、取りこぼしのない3ステップの判定手順を示します。

eSIM対応の確認が「対応機種一覧」だけでは終わらない理由

ネット上の対応機種一覧はたいてい機種名だけで並んでいます。しかしメーカー公式の記述を読むと、判定を分けているのは機種名ではなく購入した国・地域です。

Google のPixelヘルプは、Pixel 3a について「Verizonサービスまたは日本で購入したスマートフォンはeSIM非対応」と明記しています。Pixel 3 も同様に、オーストラリア・台湾・日本で購入した端末は対象外とされています。つまり「Pixel 3aはeSIM対応」という一覧の書き方は、日本のユーザーにとっては誤りになります。

逆方向の地域差もあります。Apple のサポート文書によれば、日本で購入した iPhone 15 シリーズ以降はeSIM専用で、物理SIMトレイそのものがありません。この場合は「eSIMに対応しているか」ではなく「eSIMしか使えない」が正解です。中国本土で購入したiPhoneはさらに条件が異なり、eSIMに対応するのは iPhone 17e と iPhone Air に限られると案内されています。

海外で端末を買った人、中古端末を使っている人、家族から譲り受けた端末を使う人は、この地域差に真っ先に当たります。判定は次の3ステップで進めてください。

ステップ1:EIDを表示してeSIMのハードウェアを確認する

EID(Embedded Identity Document)はeSIMチップ固有の32桁の識別番号です。この番号が端末に存在するということは、eSIMを書き込む領域が物理的に載っているということを意味します。

iPhoneでEIDを確認する

  1. 「設定」を開く
  2. 「一般」をタップ
  3. 「情報」をタップ
  4. 画面を下にスクロールし、EID・IMEI・ICCIDの欄を探す

Appleのサポート文書でも、EIDやIMEIはこの「情報」画面で確認する手順が案内されています。項目が見当たらないときは指を止めずに最後までスクロールしてください。機種によっては「SIM」セクションの内側に格納されています。

AndroidでEIDを確認する

Pixelの場合、Googleの公式手順は「設定」→「デバイス情報」→「SIM のステータス」で、その中の「EID」を探すというものです。IMEIは「デバイス情報」の階層に直接表示されます。

Pixel以外のAndroidはメーカーによって階層名が変わります。「設定」の検索窓に「EID」と入力して探すのが最短です。電話アプリで *#06# をダイヤルすると、機種によってはIMEIと並んでEIDが表示されます。ただしこの方法はメーカー依存で、EIDが出ない端末もあるため、出なかったことを非対応の根拠にはできません。設定画面にeSIMの項目が出ない場合の確認点も併せて見ておくと判断が早くなります。

EIDが見つからないとき

設定アプリの検索でも *#06# でも出てこない場合、その端末はeSIM非対応と考えて差し支えありません。この場合は物理SIMを使うか、端末を買い替えることになります。eSIM対応端末の考え方で世代ごとの目安を確認できます。

ステップ2:機種名ではなく「購入した国」でeSIM対応を再確認する

EIDが出た人も、ここで一度立ち止まってください。特に次の3パターンは公式に地域差が記載されている領域です。

日本で購入したPixel 3a・Pixel 3

Googleの公式ヘルプが非対応と明記しています。Pixel 4以降であれば購入国を問わずeSIMに対応するため、Pixelユーザーが地域差を気にする必要があるのは実質この2機種だけです。Pixel 2はGoogle Fi経由の購入分のみ、初代Pixelは非対応とされています。

日本で購入したiPhone 15以降

Appleは日本を、米国などと同じく新しいiPhoneがeSIM専用で販売される地域として挙げています。iPhone 15・16・17系(17e、Air、Pro、Pro Maxを含む)が該当します。物理SIMトレイがないので、渡航先で現地の物理SIMを買う選択肢が最初から存在しません。旅行前の準備としては、むしろ出発前にeSIMを設定しておく手順を確認しておくほうが実務的です。

中国本土で購入したiPhone

中国本土モデルは長くeSIMが使えない状態が続いており、Appleの案内でもeSIMに対応するのは iPhone 17e と iPhone Air に限られるとされています。中国本土で購入した端末を日本や第三国で使う場合、機種名が同じでも判定が変わる点に注意してください。

ステップ3:eSIM対応でも「ロック」で使えない端末がある

ハードウェアが対応していても、端末側のロックで別の通信会社のeSIMを入れられないことがあります。ここが一覧表では絶対に分からない部分です。

SIMロック

総務省のガイドラインにより、2021年10月1日以降に発売された端末はSIMロックが原則禁止されています。したがってこの日以降に発売されたモデルを新品で買っているなら、SIMロックを気にする必要はほぼありません。

問題になるのはそれ以前に発売された端末です。iPhone XS・XR・11あたりはeSIMに対応していますが、キャリアで購入した個体にはSIMロックが残っている可能性があります。確認方法は端末の「設定」→「一般」→「情報」にあるSIMロックの項目で、「SIMロックなし」と表示されていれば解除済みです。SIMロック解除とeSIMの関係に手続きの流れをまとめています。

ネットワーク利用制限

中古端末やフリマで入手した端末では、前の所有者の分割払いが滞ると通信会社側から利用を止められる場合があります。各社が公開している判定サイトにIMEIを入力すると、制限の有無が記号で表示されます。SIMロックとは別の仕組みなので、両方を確認してください。

法人端末・学校配布端末

会社や学校から配布された端末は、管理者によって回線設定の変更が制限されていることがあります。この場合はEIDが表示されSIMロックもなくても、eSIMのプロファイル追加そのものがブロックされます。管理部門への確認が必要です。

eSIM対応と「2回線同時に使える」は別の話

ここも取り違えやすい点です。eSIMに対応していても、その端末が何回線を同時に待ち受けできるかは世代によって違います。

Appleによれば、デュアルeSIM(eSIM2つの同時利用)に対応するのはiPhone 13以降です。それ以前の機種は「物理SIM1枚+eSIM1つ」の組み合わせになります。Pixelでは、Pixel 3a以降がDSDS(物理SIMとeSIMの2回線同時待受)に対応するとされています。

日本の電話番号を着信できる状態のまま海外用のeSIMを足したい場合、この違いがそのまま可否に直結します。設定の考え方は旅行時のデュアルSIM構成で整理しています。eSIMという仕組みそのものを押さえ直したいときはeSIMとは何かから読むのが早道です。

確認が終わったら出発前に一度だけテストする

3ステップを通過しても、実際にプロファイルを入れてみるまでは確実とは言えません。Appleは、eSIMを設定できない場合の要因として、Wi-Fi接続がないこと、iOSが最新でないこと、通信事業者設定のアップデートが未適用であることを挙げています。いずれも出発直前の空港では対処しづらい項目です。

渡航の数日前にeSIMを購入して端末に入れ、設定画面に回線が並ぶところまで確認しておけば、現地で慌てることはありません。Coral eSIMの対応プラン一覧から渡航先を選んで、事前に手元で試しておくことをおすすめします。

FAQ

EIDが表示されればeSIMは必ず使えますか

使えるとは限りません。EIDはeSIMのハードウェアがあることを示すだけです。SIMロックが残っている端末、ネットワーク利用制限がかかっている中古端末、企業や学校が管理している端末では、EIDがあってもプロファイルを追加できません。EIDの確認は3つの関門のうち最初の1つと考えてください。

同じ機種名なのにeSIMが使えないことはありますか

あります。Googleの公式ヘルプは、日本で購入したPixel 3aとPixel 3をeSIM非対応と明記しています。Appleも、中国本土で購入したiPhoneはiPhone 17eとiPhone AirのみeSIMに対応すると案内しています。機種名だけの対応表を信じず、どの国で買った端末かを必ず併せて確認してください。

SIMロックがかかっているか確認する方法は

iPhoneは「設定」→「一般」→「情報」の「SIMロック」欄に「SIMロックなし」と出ていれば解除済みです。総務省のガイドラインで2021年10月1日以降に発売された端末はSIMロックが原則禁止されているため、それ以降の新品端末であればまず問題になりません。中古端末や2021年より前の機種を使う場合だけ確認すれば足ります。

*#06# でEIDを確認できますか

機種によります。多くのAndroidでIMEIとあわせてEIDが表示されますが、表示されない端末もあります。この方法でEIDが出なかったことを、eSIM非対応の根拠にはできません。設定アプリの検索窓に「EID」と入力して探すほうが確実です。

iPhone 15以降は物理SIMが使えないと聞きましたが本当ですか

日本で購入したモデルについては本当です。Appleは日本を、新しいiPhoneがeSIM専用で販売される地域として挙げており、iPhone 15以降には物理SIMトレイがありません。渡航先で現地の物理SIMを買うことはできないため、eSIMを事前に用意する前提で計画を立てる必要があります。

対応可否は機種名ではなく、購入国とロック状態で決まる

eSIM対応の確認でつまずく人の多くは、対応機種一覧に自分の機種名を見つけて安心し、現地で初めて使えないと気づきます。実際に判定を分けているのは、メーカー公式が明記している購入国の違いと、端末に残ったロックの有無です。EIDを見る、購入国を確かめる、ロック状態を確認する。この順に3つを潰せば、出発前に確実な結論が出ます。そして最後の保険として、渡航の数日前に実際のeSIMを一度入れてみることを強くおすすめします。

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