カンボジアでは、ホテルやカフェ、空港で無料Wi-Fiを使えます。ただ、旅行中の通信手段として頼りになるのはWi-Fiよりもモバイル回線です。通信速度の測定サービスOoklaの集計では、カンボジアのモバイル回線の中央値は下り111.90Mbpsで、固定回線(下り54.74Mbps)のおよそ2倍の速さがあります。一方で、現地のSIMやeSIMを買うときはパスポートの読み取りに加えて顔認証による本人確認が求められます。この記事では、空港と通信会社の公式案内、測定データ、カンボジア政府の注意喚起をもとに、カンボジアでWi-Fiに頼れる範囲と、到着前に準備しておくことを整理します。
到着してすぐ自分の回線を使いたい場合は、日本で開通しておけるカンボジア向けeSIMがあります。Coral eSIMのカンボジアプランから、滞在日数に合う容量を選べます。
カンボジアのWi-Fi事情:使えるのはホテル・カフェ・空港が中心
カンボジアを旅行していて無料Wi-Fiにつながる場所は、主にホテル、カフェやレストラン、空港です。どの程度の速さで使えるかは、施設ごとに異なります。
ただし、無料Wi-Fiが使えるのは「建物の中にいる間」に限られます。アンコール遺跡群の見学、トゥクトゥクや配車アプリでの移動、市場での買い物など、旅行中に通信が必要になる場面の多くは屋外です。街なかで誰でも使える公衆Wi-Fi網が整備されているかどうかは、公式情報では確認できませんでした。
- ホテルのWi-Fi:多くは客室で使える。回線の速さは施設によって差がある
- カフェやレストランのWi-Fi:店員がパスワードを案内する形が多い
- 空港のWi-Fi:到着直後の連絡に使える(次の章)
- 遺跡や移動中:Wi-Fiは当てにできないため、モバイル回線が必要
とくにアンコール遺跡群は範囲が広く、地図アプリで現在地を確認したり、帰りの配車を呼んだりする場面が多くあります。Wi-Fiのある宿に戻るまで通信できない状態は避けたいところです。
カンボジアの空港Wi-Fi:プノンペンとシェムリアップの新空港
カンボジアの主な玄関口は、プノンペンのテチョ国際空港(KTI)と、アンコール遺跡群に近いシェムリアップ・アンコール国際空港(SAI)です。
テチョ国際空港(プノンペン)
テチョ国際空港の公式サイトは、空港のサービスとしてラウンジ、飲食店、ショップと並んで無料Wi-Fiを挙げています。ただし、ネットワーク名や利用時間の上限、ログインの方法は、公式サイトでは確認できませんでした。
シェムリアップ・アンコール国際空港
シェムリアップ・アンコール国際空港の公式サイトでは、Wi-Fiについての案内を確認できませんでした。到着後の配車や宿への連絡に空港のWi-Fiを使えるかどうかは、事前に確かめられません。
空港のWi-Fiは、つながっても利用条件がわからないまま使うことになります。配車アプリやホテルへの連絡を確実にしたいなら、機内モードを解除した時点で自分の回線がつながる状態にしておくのが確実です。
カンボジアのモバイル回線の速度:固定回線のおよそ2倍
カンボジアでは、Wi-Fiを支える固定回線よりも、スマートフォンのモバイル回線のほうが速いという特徴があります。Ooklaの集計(2026年8月更新)では、カンボジアの回線速度の中央値は次のとおりです。
- モバイル回線:下り111.90Mbps、上り21.86Mbps、応答速度18ミリ秒(世界43位)
- 固定回線:下り54.74Mbps、上り53.99Mbps、応答速度5ミリ秒(世界108位)
下りの速さで比べると、モバイル回線は固定回線のおよそ2倍です。ホテルのWi-Fiが遅いと感じたら、自分のモバイル回線に切り替えたほうが快適なことも珍しくありません。地図や配車アプリ、写真のアップロード、ビデオ通話など、旅行中の使い方であれば十分な速さです。
ただし、これは全国の測定結果の中央値です。都市部と地方、遺跡の周辺などでつながりやすさは変わります。
カンボジアで現地SIM・現地eSIMを買うときの本人確認
カンボジアの大手通信会社は、Smart、Cellcard、Metfoneです。3社とも公式サイトで旅行者向けのSIMを案内しています。
旅行者向けSIMは空港のブースで買える
Smartは、旅行者向けの「Smart Traveller SIM」をカンボジアの国際空港にあるSmartのブースで販売していると案内しています。有効期間は15日間で、データ通信に加えて通話とSMSも含まれています。Cellcardも「Traveller SIM」という旅行者向けの商品を用意しており、Metfoneも旅行者向けのSIMの案内ページを公開しています。
パスポートの読み取りと顔認証が必要
Smartの公式案内では、プリペイドSIMの登録にパスポート(またはカンボジアの身分証)の読み取りと、顔の生体認証(フェイススキャン)を求めています。登録の目的として、番号を不正利用から守ることと、政府の規則に従うことを挙げています。
Smartの現地eSIMも同じで、専用アプリから購入する手順は、パスポートを読み取り、顔を撮影して本人確認をする流れです。さらに、購入時にはWi-Fiにつながっていることが条件とされています。つまり、現地eSIMを買うためにまずWi-Fiを探す必要があります。
外国人のSIM登録について、カンボジアの通信規制庁(TRC)が定めている規定そのものは、公式サイトを確認できなかったため、この記事では扱っていません。
出発前に旅行用eSIMを設定しておけば、こうした店頭やアプリでの本人確認なしに、到着後すぐにデータ通信を始められます。使うには、端末がeSIMに対応していて、SIMロックが解除されている必要があります(eSIM対応機種の確認方法)。オンラインでの本人確認のしくみはeKYCとはで解説しています。
カンボジアのフリーWi-Fiを使うときの注意
カンボジアの郵便電気通信省(MPTC)は、2026年7月に開いたサイバーセキュリティの研修で、公衆Wi-Fiの安全な使い方を、強いパスワードの作成、二段階認証、モバイルバンキングアプリの保護と並ぶ主要なテーマとして取り上げています。
旅行者にとっての基本的な対策は次のとおりです。
- 空港やカフェのWi-Fiで、ネットバンキングやクレジットカード決済、各種サービスへのログインをしない
- 主なアカウントには二段階認証を設定しておく
- 知らない相手から届いたメッセージのリンクを開かない
決済やログインは、自分のモバイル回線に切り替えてから行ってください。公衆Wi-Fiの危険性はフリーWi-Fiのセキュリティ対策で詳しく解説しています。
カンボジアのWi-Fi・通信についてよくある質問
カンボジアの空港に無料Wi-Fiはありますか?
プノンペンのテチョ国際空港は、公式サイトで無料Wi-Fiをサービスの一つとして挙げています。ただし、ネットワーク名や利用時間の上限は公式サイトでは確認できませんでした。シェムリアップ・アンコール国際空港については、公式サイトでWi-Fiの案内を確認できませんでした。
カンボジアのモバイル回線の速度はどのくらいですか?
Ooklaの2026年8月更新の集計では、モバイル回線の中央値は下り111.90Mbpsで、固定回線の中央値(下り54.74Mbps)のおよそ2倍です。ホテルのWi-Fiより、スマートフォンの回線のほうが速い場面もあります。
カンボジアで現地SIMを買うには何が必要ですか?
Smartの公式案内では、SIMの登録にパスポートの読み取りと顔認証が必要です。旅行者向けのSmart Traveller SIMは、カンボジアの国際空港にあるSmartのブースで購入できると案内されています。
カンボジアの現地eSIMは旅行者でも買えますか?
Smartは、パスポートがあれば専用アプリから現地eSIMを購入できると案内しています。ただし手続きには顔認証があり、購入時にはWi-Fiへの接続が必要です。到着後すぐに使いたい場合は、日本で旅行用eSIMを設定しておくほうが手間がかかりません。
カンボジアのフリーWi-Fiは安全ですか?
カンボジアの郵便電気通信省も、公衆Wi-Fiの安全な使い方を研修の主要なテーマにしています。公衆Wi-Fiでは、ネットバンキングやカード決済、アカウントへのログインを避け、こうした操作は自分のモバイル回線で行ってください。
カンボジアではWi-Fiを補助にして、eSIMで到着前に回線を確保する
カンボジアのWi-Fiは、ホテルやカフェ、空港では使えますが、遺跡の見学や移動中には当てにできません。一方でモバイル回線は固定回線のおよそ2倍の速さがあり、旅行中の通信の中心にするのに向いています。現地でSIMや現地eSIMを買う方法もありますが、パスポートの読み取りと顔認証が必要で、現地eSIMの購入にはWi-Fiも必要です。出発前に旅行用eSIMを設定し、Wi-Fiはホテルでの補助として使う。これがカンボジアでの通信の準備としてもっとも確実です。
カンボジアで使えるプランはCoral eSIMのカンボジアプラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。
