オーストラリアの携帯キャリアは、Telstra、Optus、Vodafoneの3社が自前の回線を持っています。Vodafoneは現在TPG Telecomが運営するブランドで、格安ブランドの多くもこの3社のどれかの回線を借りています。契約数とエリアの広さではTelstraが大きく先行し、都市部では3社とも4G・5Gが使えます。差が出るのは都市を離れたときです。この記事では、各社の2026年の決算資料と公式情報、Ooklaの速度データをもとにオーストラリアのキャリアの違いを整理し、旅行用eSIMがどの回線につながるかを確かめる方法を説明します。

オーストラリアで使う回線を出発前に用意しておくなら、Coral eSIMのオーストラリアプランから滞在日数に合う容量を選べます。対応するネットワークは商品ページに表示されています。

オーストラリアの携帯キャリアは3社、格安ブランドも3社の回線を使う

オーストラリアの主な携帯キャリアの顔ぶれは次のとおりです。数字は各社が2026年に公表した決算資料によるもので、集計の時点と数え方は会社ごとに違います。

キャリア運営会社携帯の契約数集計時点
TelstraTelstra Group個人・法人向け2,600万回線(ほかに卸売の利用者290万)2026年6月期
OptusOptus(シンガポールのSingtel傘下)1,072万2,000(プリペイド・ポストペイド・通信機器の合計)2026年3月末
VodafoneTPG Telecom580万6,0002026年6月末

Singtelの資料では、Optusの携帯の市場シェアは31.1%とされています。格安ブランドについては、Boostが「Telstraのプリペイド網」を使うと公式に案内しており、amaysimはOptusの決算資料にOptus傘下のブランドとして登場します。ブランド名が違っても、実際の電波はTelstra・Optus・Vodafoneのいずれかと考えてかまいません。

3G停波の時期も3社で違い、Vodafoneは2024年1月、TelstraとOptusは2024年10月28日から3Gを止めています。停波にともなう端末の遮断についてはオーストラリアのWi-Fi・通信環境で解説しています。

オーストラリアのキャリアのエリア:Telstraが面積で大きく先行

オーストラリアは国土の大半が内陸の乾燥地帯で、人口は沿岸の都市に集中しています。そのため「人口の何%をカバーしているか」と「何km²をカバーしているか」で、キャリアの差の見え方が大きく変わります。

  • Telstra:2025年5月の公式説明で、300万km²、人口の99.7%をカバーするとしています。2026年の決算資料では、ほかのどの回線より90万km²広いと説明しています
  • Vodafone(TPG Telecom):公式サイトでカバー面積を約120万km²と案内し、2026年8月の決算資料では人口の99%をカバーするとしています
  • Optus:日付の新しい人口カバー率やカバー面積の数値は、公式サイトで確認できませんでした

人口カバー率は3社とも高く、シドニー、メルボルン、ブリスベン、ケアンズといった観光地の中心部で困る場面は多くありません。一方、面積で見るとTelstraとほかの2社の差ははっきりしています。内陸のドライブ、国立公園、小さな町を回る旅程では、どのキャリアの回線かで「つながる区間」が変わります。各社のカバーマップは2026年から新しい業界基準で表示されており、地図の読み方はオーストラリアのWi-Fi・通信環境にまとめています。

OptusとTPGの地方網共有で、2025年から地方のエリアが変わった

オーストラリアでは、地方の基地局を2社で共有する取り組みが進んでいます。競争当局のACCCは2024年9月5日、OptusとTPG Telecomの地方網共有に反対しないと発表しました。内容は次のとおりです。

  • TPGの契約者が、地方にあるOptusの基地局を使えるようになる
  • Optusは地方で、TPGが持つ700MHz・1800MHz・3.6GHz・3.7GHz帯の周波数を使える
  • 対象の地域には、人口のおよそ17%が住んでいる
  • 契約期間は当初11年で、5年延長できる

TPGの決算資料では、この共有による地方網の拡大は2025年1月に始まったとされています。なお、ACCCは2022年12月、TelstraとTPGの同様の網共有の申請を認めていません。つまり地方では、Telstraの自前の網と、OptusとTPGが共有する網の2つが並ぶ形になっています。旅行者から見ると、Optusの回線につながるeSIMもVodafoneの回線につながるeSIMも、地方では同じOptusの基地局を使う場面がある、ということです。

オーストラリアのキャリアの5Gは3.5GHz帯(n78)が中心

5Gで使う周波数は、各社の公式発表で次のように確認できます。

キャリア主な5Gの周波数対応する5Gバンド
Telstra3.6GHz帯が中心、一部で850MHz帯と26GHz帯n78、n5、ミリ波
Optus3.5GHz帯と2300MHz帯、900MHz帯、26GHz帯n78、n40、n8、ミリ波
Vodafone(TPG)3.6GHz帯と700MHz帯n78、n28

3社に共通する3.5GHz帯(n78)は、日本の5Gでも主力の帯域です。日本で5Gにつながっている端末なら、オーストラリアの都市部でも5Gをつかめる可能性は高いといえます。違いが出るのは、遠くまで届く低い周波数の5Gです。Telstraは850MHz帯(n5)、Optusは900MHz帯(n8)、TPGは700MHz帯(n28)と、各社で帯域が分かれています。

日本のスマートフォンで確認すること

  • 5Gのバンド:メーカーの仕様表で「n78」を確認し、つながる先のキャリアに合わせてn5・n8・n28の有無も見る
  • 4GのBand 28とVoLTE:オーストラリアでは端末条件が厳しく、詳しくはオーストラリアeSIMガイドで確認する
  • SIMロック:ロックがかかっていると旅行用eSIMは使えない(SIMロック解除の確認方法)

オーストラリアのキャリア別の速度:公的なデータは国全体の値まで

速度については、Ooklaの「Speedtest Global Index」で国全体の値を確認できます。2026年8月のオーストラリアのモバイル通信は、下りの中央値が121.43Mbps、上りが11.79Mbps、遅延が20msで、世界37位でした。地図や配車アプリ、SNSの動画には十分な速さです。

一方、キャリア別の速度の比較は、Ooklaの公開ページではオーストラリアのモバイル部門の評価が確認できませんでした。Optusは2026年5月の決算発表で別の調査会社の評価を挙げていますが、これは自社の発表です。キャリア間の速度差を数字で断定できる一次情報は、現時点では限られています。旅行者にとっては、速度よりも「行き先がそのキャリアのエリアに入っているか」のほうが結果を大きく左右します。

なお、TelstraはStarlinkの衛星を使ったメッセージ機能を2025年6月に始めていますが、対象はTelstraの後払いプランの契約者で、旅行者向けのTraveller SIMは衛星を含まないと案内されています。旅行用eSIMで使える機能として期待しないほうが安全です。

旅行用eSIMはオーストラリアのどのキャリアにつながるか:確認の手順

海外旅行用のeSIMは、多くがオーストラリアのキャリアの回線を借りる形でつながります。つながる先は商品ごとに違います。Coral eSIMのオーストラリアプランの商品ページでは、対応ネットワークとしてOptus(5G)が表示されています(2026年9月26日時点)。表示はプランによって異なる場合があるため、購入するプランの欄で確認してください。

  1. 購入前:商品ページの対応ネットワーク欄で、つながるキャリア名と5G対応かを見る
  2. 旅程の確認:内陸や国立公園に行くなら、そのキャリアの公式カバーマップで行き先を確かめる
  3. 端末の確認:仕様表でn78と、つながる先のキャリアの低い周波数のバンドを見る
  4. 到着後:iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で、接続中のキャリア名が表示される。Androidは機種ごとに表記が違うが、SIMの設定にある「ネットワーク事業者」などで確認できる
  5. APNは触らない:通常はeSIMを入れるだけで設定される。案内で指定がある場合だけ変更する(eSIMのAPN設定)

速度が出ないときの対処はeSIMが遅いときの対処法を参考にしてください。プランの対応ネットワークはCoral eSIMのオーストラリアプランで確認できます。

オーストラリアの携帯キャリアについてよくある質問

オーストラリアで一番エリアが広いキャリアはどこですか?

公式の数値では、Telstraが300万km²、人口の99.7%をカバーするとしており、ほかの回線より90万km²広いと説明しています。Vodafone(TPG Telecom)は約120万km²です。Optusの最新のカバー面積は公式サイトで確認できませんでした。

オーストラリアの携帯キャリアで一番速いのはどこですか?

キャリア別の速度を比べた公的な測定結果は、公式サイトで確認できませんでした。国全体では、Ooklaによると2026年8月のモバイル通信の下り中央値が121.43Mbpsです。旅行では、速度より行き先がエリアに入っているかを優先して確認してください。

VodafoneとTPGは別の会社ですか?

オーストラリアのVodafoneは、TPG Telecomが運営するブランドです。TPGは2025年1月から、地方ではOptusの基地局を共有して使っています。そのため地方では、VodafoneとOptusが同じ基地局を使う場面があります。

日本のスマートフォンでオーストラリアの5Gは使えますか?

3社とも5Gの中心は3.5GHz帯(n78)で、日本の5Gと同じ帯域です。端末の仕様表にn78があれば、周波数の面では都市部の5Gを使えます。4GのBand 28とVoLTEの対応も必要なので、あわせて確認してください。

接続しているキャリアを確認するにはどうすればいいですか?

iPhoneは「設定」→「モバイル通信」→旅行用の回線→「ネットワーク選択」で確認できます。Androidは機種によって表記が異なり、SIMの設定の「ネットワーク事業者」などから確認します。Coral eSIMのオーストラリアプランの商品ページには、対応ネットワークとしてOptus(5G)が表示されています。

オーストラリアでは「行き先がそのキャリアのエリアか」でeSIMを選ぶ

オーストラリアの携帯キャリアはTelstra、Optus、Vodafoneの3社で、都市部では3社とも4G・5Gが使え、5Gの中心も日本と同じn78です。差が出るのは都市を離れたときで、面積ではTelstraが先行し、OptusとVodafoneは2025年から地方の基地局を共有しています。そのため旅行用eSIMは、まず商品ページでつながるキャリアを確かめ、次に旅程の地方部がそのキャリアのカバーマップに入っているかを見ておくのが確実です。都市中心の旅なら、どのキャリアでも大きな差は出にくいと考えてかまいません。

オーストラリアで使えるプランと対応ネットワークはCoral eSIMのオーストラリアプラン、ほかの国のプランはプラン一覧から確認できます。

関連記事