結論: ベトナムの現地SIMは、到着空港かキャリア直営店で、パスポートを提示して本人確認を済ませたうえで買うのが確実です。2026年4月施行の新しい規則で、SIMの契約者情報は顔の生体情報を含めて本人確認することが義務づけられ、パスポートを使う外国人は原則として店頭での対面手続きになりました。日本の通販で買う「登録済み」の現地SIMは、この制度と相性が悪くなっています。

手続きそのものを省きたい場合は、日本にいるうちに開通できるeSIMという選択肢があります。Coral eSIMのプラン一覧から渡航日数に合う容量を選べます。

ベトナムのSIMは「登録して初めて使える」

2026年4月に本人確認のルールが変わった

ベトナムでは以前から、携帯電話の契約者情報を実名で登録する制度が運用されてきました。2026年4月15日に施行された通達(Thông tư 08/2026/TT-BKHCN)では、これがさらに踏み込み、個人識別番号・氏名・生年月日・顔の生体情報の4項目を照合する形になっています。

認証の方法は、国民向け電子身分証アプリ(VNeID)、通信事業者のアプリ、事業者の店頭窓口の3系統です。ベトナム国民はアプリで完結できますが、パスポートで契約する外国人は、有効なパスポートとSIMを持って店頭に出向く形が基本と報じられています。認証が済まない回線は、発信の制限から順に利用が止まる扱いです。

旅行者にとって何が変わるか

実務的な影響は次の3点です。

  • 本人が窓口に行く必要がある。代理購入や、誰かが登録した回線を受け取る形は成り立ちません
  • パスポートの原本が要る。コピーやスマホの画像では手続きが進みません
  • その場で顔写真を撮られる。手続きに数分かかるため、到着直後の行列では時間を見ておく必要があります

なお、制度は運用が変わることがあります。渡航直前に最新の案内を確認してください。この記事の内容は2026年8月時点で公表されている情報に基づいています。

ベトナムでSIMカードを買える場所

到着空港のキャリア公式カウンター

ノイバイ(ハノイ)、タンソンニャット(ホーチミン)、ダナンの各国際空港には、到着ロビーに通信事業者のカウンターがあります。旅行者にとっては最も確実な選択肢で、パスポートを出せばその場で登録から開通まで済みます。英語が通じ、端末への挿入や設定も窓口でやってもらえます。

注意点は、深夜早朝の便では閉まっている場合があることと、空港のカウンターは市内より割高になりやすいことです。到着が深夜になる旅程では、空港での調達を前提にしないほうが安全です。

市内のキャリア直営店

Viettel、Vinaphone、MobiFoneはいずれも市内に直営店を持っています。空港より条件が良いことが多く、料金プランの選択肢も広くなります。ただし営業時間内に出向く必要があり、到着から店舗に行くまでの間は通信手段がない状態になります。

露店や小規模な販売店は避ける

ベトナムの情報通信当局は2023年以降、代理店経由で「登録済みの状態のSIM」が流通することを問題視し、取り締まりを強化してきました。他人名義で登録された回線を渡される形になるため、本人確認の要件を満たさず、後から止められる可能性があります。安く見えても、正規の窓口以外での購入は勧められません。

キャリアはViettel・Vinaphone・MobiFoneの3択

ベトナムの主要な通信事業者は次の3社です。旅行者が窓口で選べるのも基本的にこの中からになります。

  • Viettel:軍系の最大手で、地方や山間部を含めたカバー範囲が広いとされています。都市部以外を回る旅程では有力です
  • Vinaphone(VNPT):国営系。都市部で安定しており、空港カウンターでもよく見かけます
  • MobiFone:都市部中心。ホーチミンやハノイの市街地であれば実用上の差は出にくい範囲です

ハノイ・ホーチミン・ダナンといった都市とその周辺を回るだけなら、3社のどれを選んでも体感差は小さいのが実情です。サパやハザン、離島など地方に足を伸ばす予定があるならカバー範囲の広い事業者を選ぶ、という程度の判断で足ります。

料金は「データ量と日数の組み合わせ」で決まる

旅行者向けのSIMは、通話をほとんど含まずデータ量と有効期間だけで値段が決まる構成が主流です。1日あたりの容量が決まっているタイプと、期間内の総量で決まるタイプがあります。

確認しておきたいのは次の点です。

  1. 有効期間が渡航日数をカバーしているか。短いプランを買って延長できず、後半が使えなくなるのが典型的な失敗です
  2. チャージ(追加購入)ができるか。旅行者向けのプランには、使い切ったら終わりで追加できないものがあります
  3. テザリングが使えるか。同行者と分けるつもりなら窓口で確認します
  4. 表示価格の通貨と支払い方法。カウンターによって現金のみのことがあります

具体的な金額はプラン改定や為替で動くため、この記事では書きません。窓口の表示を見て、上の4点を確認してから決めるのが確実です。相場観だけ持っておき、極端に安い提示には理由があると考えてください。

端末側の条件も確認しておく

SIMを買っても端末が対応していなければ意味がありません。ベトナム特有の事情として、2G網は2024年10月に停波済み、3Gも2028年に停波予定です。古い端末を持ち込むと、SIMを挿しても圏外のままになります。4G以降に対応した端末が前提です。

もう1点はSIMロックの有無です。日本のキャリアで購入した端末は、解除されていないと他社のSIMを認識しません。出発前に確認しておいてください。

また、現地SIMを主回線にすると日本の電話番号あてのSMSが受け取れなくなる点にも注意が必要です。銀行アプリや予約サイトの認証コードが届かず、現地で困る場面が起きます。詳しくは海外でSMS認証コードを受け取る方法にまとめています。

現地SIMとeSIM、どちらを選ぶか

本人確認が厳格になったぶん、現地SIMは「到着してから手続きをする」前提のものになりました。手間と確実性のどちらを取るかで決まります。

現地SIMが向いている場合

  • 滞在が長く、現地の電話番号が必要になる(配達や店舗予約で使う場面がある)
  • 端末がeSIMに対応していない
  • 到着が日中で、空港カウンターに並ぶ時間の余裕がある

eSIMが向いている場合

  • 到着が深夜早朝、または乗り継ぎで滞在時間が短い。カウンターが閉まっていても影響を受けません
  • パスポートを出しての対面手続きを避けたい
  • 日本の番号を残したまま、データ通信だけ現地に寄せたい
  • 空港に着いた瞬間から配車アプリや地図を使いたい

空港での調達とeSIMの比較は空港でSIMを買うのとeSIMはどっちがいい?で扱っています。ベトナム向けの具体的な選び方はベトナムで使えるeSIMの選び方に、対応国と日数の組み合わせはプラン一覧にまとめています。

FAQ

ベトナムのSIMカードは日本で買っておけますか?

通販で購入できる商品は存在しますが、ベトナムの制度では契約者本人の情報で登録された回線であることが求められます。他人名義で登録された状態の回線は、後から利用を止められる可能性があります。日本にいるうちに準備したい場合は、購入者本人の情報で契約できるeSIMのほうが制度と整合します。

空港のカウンターは何時まで開いていますか?

空港やカウンターによって異なり、深夜早朝の便では閉まっていることがあります。到着時刻が遅い旅程では、空港での調達を当てにしないほうが安全です。市内の直営店に行くまでの時間、通信できない状態が続く点も見込んでおいてください。

パスポートのコピーでも登録できますか?

原本が必要です。2026年4月施行の規則では、氏名や生年月日に加えて顔の生体情報を照合する形になっており、その場で顔写真を撮る運用が報じられています。コピーやスマホに保存した画像では手続きが進みません。

Viettel・Vinaphone・MobiFoneのどれを選べばいいですか?

ハノイ・ホーチミン・ダナンなど都市部を回るだけなら、どれを選んでも体感差は小さい範囲です。サパや離島など地方に行く予定があるなら、カバー範囲が広いとされるViettelが無難です。空港カウンターで扱っている事業者から選ぶ形になります。

現地SIMを入れると日本の電話番号はどうなりますか?

物理SIMを入れ替えた場合、日本の番号は使えない状態になります。デュアルSIM対応の端末であれば、日本の番号を残したままデータ通信だけ現地の回線に切り替えられます。銀行や予約サイトのSMS認証を使う予定があるなら、番号を残せる構成にしておいてください。

ベトナムの現地SIMは「正規の窓口で本人が買う」以外の道がなくなった

ベトナムのSIM調達は、かつてのように街の売店で気軽に買えるものではなくなりました。2026年4月の規則改定で本人確認が顔の生体情報まで含む形になり、パスポートを持った本人が正規の窓口に出向くのが前提です。裏を返せば、正規のカウンターで手続きすれば確実に使えるということでもあります。

判断は旅程で決まります。到着が日中で時間に余裕があるなら空港カウンターで現地SIM、深夜早朝の到着や短い滞在ならeSIM。この切り分けをしておけば、到着したのに通信手段がないという事態は避けられます。渡航日数に合う容量はCoral eSIMのプラン一覧から確認できます。

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