結論: 海外旅行中も日本の電話番号はそのまま使えます。しかも高額なローミングデータを契約する必要はありません。日本のSIMを「データローミングOFF」のまま端末に残し、データ通信は旅行用eSIMに任せる——このデュアルSIM構成なら、銀行のSMS認証も着信も日本の番号で受けられます。設定は出発前の10分で完了し、最近のiPhone・Androidのほとんどで利用できます。

この記事では、滞在期間別の「番号維持」3パターンの比較、iPhone/Androidの具体的な設定手順、そして銀行アプリ・LINE・SMS認証が海外でどう動くかを順番に解説します。

2026年、日本の電話番号は「本人確認の鍵」

電話番号はもはや通話のためだけのものではありません。

  • 銀行・クレジットカードのSMS認証: ログインや3Dセキュア決済のワンタイムコードは日本の番号宛てに届きます。受け取れないと決済自体が通らないことも。
  • 各種サービスの2段階認証: 証券口座、マイナポータル、フリマアプリなど、SMS認証を求めるサービスは増える一方です。
  • LINE・WhatsAppなどのメッセージアプリ: アカウントは電話番号に紐づいています。
  • 宅配便の不在連絡や家族からの着信も、いつもの番号に届きます。

旅行中に番号が使えないと、アカウント復旧に何時間も取られかねません。逆に言えば、番号維持は「お金の問題」ではなく「設定の問題」です。

滞在期間別・番号維持の3パターン比較

方法向いている期間仕組み注意点
デュアルSIM(日本のSIM+旅行eSIM)1週間〜3ヶ月程度日本のSIMは通話・SMS用に残し、データ通信は旅行eSIMに切り替え日本回線のデータローミングは必ずOFF。海外でのSMS受信条件は各社公式サイトで確認
低額プランへの変更で維持1ヶ月〜1年povoなど維持費を抑えられるプランに変更し、番号を生かしたままデュアルSIM運用プランごとの利用条件・有効期限のルールは各社公式サイトで確認
電話番号保管サービス長期滞在・海外移住キャリアの「番号保管」を申し込み、回線を休止したまま番号だけ確保保管中はSMSも着信も受けられない。料金・上限期間はdocomo/au/SoftBankの公式サイトで確認

数週間程度の旅行なら、解約も手続きも不要なデュアルSIM構成が圧倒的におすすめです。eSIM自体が初めての方は、まずeSIMとは何か?の入門記事からどうぞ。

デュアルSIM構成の設定手順

原則はシンプルです。日本のSIMは「本人確認用」として生かし、通信はすべて旅行eSIMに任せる。出発前、自宅のWi-Fiがあるうちに設定を済ませましょう。

iPhoneの場合(iOS 17以降)

  1. 旅行eSIMをインストール: 設定 → モバイル通信 → eSIMを追加 → QRコードを読み取り。
  2. 回線に「日本」「旅行データ」など分かりやすい名前を付ける。
  3. モバイルデータ通信を旅行eSIMに設定。
  4. デフォルトの音声回線は日本のSIMのままにする(通話・SMSは日本の番号で受けるため)。
  5. 日本の回線をタップ → データローミングをOFF。高額請求を防ぐ最重要ポイントです。
  6. 旅行eSIMの回線をタップ → データローミングをON(旅行eSIMは接続にローミングONが必要な場合がほとんど。プリペイドなので追加料金はかかりません)。
  7. 「モバイルデータ通信の切替を許可」をOFFにして、勝手に日本回線でデータ通信しないようにする。

Androidの場合(Pixel・Galaxyほか)

  1. 設定 → ネットワークとインターネット → SIM → eSIMを追加(機種によりメニュー名は多少異なります)。
  2. モバイルデータを旅行eSIMに設定。
  3. 通話・SMSのデフォルトは日本のSIMのまま。
  4. 日本のSIMの設定を開き、ローミングをOFF
  5. 旅行eSIMの設定を開き、ローミングをON

スクリーンショット付きの詳しい手順は旅行向けデュアルSIM設定の完全ガイドにまとめています。

海外でSMSは本当に届く? サービス別の挙動一覧

ひとつ大事な補足があります。海外でSMSを受信するには、日本の回線が現地ネットワークに接続する(=音声・SMSのローミング)必要があります。データローミングとは別の話で、docomo・au・SoftBank・楽天モバイルいずれもSMSの受信は無料が一般的ですが、条件や事前設定の要否は各社の公式サイトで最新情報を確認してください。デュアルSIM構成での主要サービスの挙動は次の通りです。

サービス海外でこの構成なら補足
銀行のSMS認証コードほぼ受信可能日本の番号宛てに届く。一部の銀行は海外での受信を制限する場合があるため、出発前にログインテストを
LINE・WhatsApp問題なし通信は旅行eSIMのデータで動作。番号はIDとして使われるだけなので再登録しない限りSMS不要
認証アプリ(Google Authenticatorなど)常に利用可オフラインでコード生成。SIMも電波も不要。可能なら主要アカウントはこちらに移行を
日本の番号への着信受けられる応答すると国際ローミング通話料がかかるのが一般的。急ぎでなければ留守電+アプリ通話で折り返しを
日本の番号からの発信・SMS送信可能だが割高ローミング料金の対象。データ通信のメッセージアプリで代替を

認証コードがどうしても届かないときの原因と対処はeSIM利用中にSMS認証コードを受け取る方法で詳しく解説しています。

長期滞在なら「電話番号保管」や低額プランも視野に

1年以上の滞在や海外移住なら、毎月の基本料を払い続けるのはもったいないと感じるはずです。日本のキャリアには電話番号保管(一時休止)サービスがあり、番号だけを残して回線を止められます。ただし保管中はSMSも着信も受けられないため、出発前に主要アカウントの2段階認証を認証アプリへ移行しておくのが必須です。料金や保管できる期間の上限は各社公式サイトで確認してください。

もう一つの現実解が、維持費の安いプランに乗り換えて番号を生かしたまま持ち出す方法です。基本料0円〜低額で回線を維持できるプランなら、デュアルSIM構成をほぼコストゼロで続けられます。各プランの維持条件(一定期間ごとの利用実績が必要、など)は公式サイトで最新のルールを確認しましょう。

出発前チェックリスト

  • 主要アカウントの2段階認証を可能な限り認証アプリへ移行
  • 端末がSIMフリー(またはロック解除済み)でeSIM対応か確認
  • 旅行eSIMを出発前にインストールし、回線名を整理
  • 日本回線: データローミングOFF / 旅行eSIM: データローミングON
  • 銀行ログインとLINEの動作を新しい構成で1回テスト
  • 海外でのSMS受信・着信の料金条件をキャリア公式サイトで確認

FAQ

日本のSIMを入れたままにすると料金はかかりますか?

データローミングをOFFにしていれば、回線は基本的に待機状態です。SMS受信は無料としているキャリアが多い一方、着信応答には通話料がかかるのが一般的です。正確な条件は各社の国際ローミング公式ページで確認してください。旅行eSIMの代金以外、ほぼ追加コストなしで運用できる人が大半です。

物理SIMスロットが1つしかない機種でもできますか?

eSIM対応機種なら、物理SIM+eSIMの2回線を同時に使えるので問題ありません。eSIM非対応かつシングルSIMの機種ではこの構成は組めないため、認証アプリへの移行や番号保管サービスを検討してください。

旅行eSIMを入れるとLINEが使えなくなりませんか?

なりません。LINEは登録済みの電話番号に紐づいたままで、どのSIMでデータ通信していても影響しません。「電話番号を変更」の操作をしなければ大丈夫です。

海外で銀行のSMSコードが届かないときは?

まず日本回線がローミング網に接続しているか(キャリア名の表示)を確認。それでも届かない場合は、銀行アプリ内の承認機能やワンタイムパスワードアプリに切り替えるか、サポートに連絡を。メールでコードを受け取れる銀行もあります。

機内モード+Wi-Fi運用でも番号は維持できますか?

番号自体は失われませんが、回線がオフラインの間はSMSも着信もリアルタイムでは受けられません。デュアルSIM構成なら、高額請求のリスクを避けつつ「届く状態」を保てます。

データ通信は出発前に準備完了

この構成のもう半分を支えるのが、信頼できる旅行用eSIMです。Coral eSIMは180以上の国と地域に対応し、購入後すぐに設定可能。自宅でインストールしておけば、現地に着いてONにするだけで、日本の番号と並走してくれます。Coral eSIMで渡航先のプランを見る

関連記事