バリ島では、ホテルやヴィラ、カフェの多くでWi-Fiが使えます。ただし実測データを見ると、バリ島の固定回線は東南アジアの主要都市の中で遅い部類に入り、測定の約5回に1回は下り25Mbpsに届いていません。さらに、宿やカフェに置かれているWi-Fi機器の約4割は古い規格のWi-Fi 4です。一方でスマートフォンのモバイル回線はこの1年で大きく速くなっています。この記事では、通信速度の測定サービスOoklaの実測データとインドネシア税関の公式案内をもとに、バリ島でWi-Fiに頼れる範囲と、自分の回線を用意するときの注意点を整理します。
到着してすぐ地図や配車アプリを使いたい場合は、日本で設定しておけるインドネシア向けeSIMがあります。Coral eSIMのインドネシアプランから、滞在日数に合う容量を選べます。
バリ島のWi-Fi事情:宿やカフェにはあるが、品質のばらつきが大きい
バリ島は観光とリモートワークの拠点として知られ、南部のビーチエリアやウブドの宿、カフェ、コワーキングスペースではWi-Fiが用意されているのが一般的です。つながること自体に困る場面は多くありません。問題はつながったあとの速さと安定度です。
Ooklaは2026年9月、東南アジアのリモートワーカーに人気の13都市・地域について、2026年4〜6月の実測データを比較した分析を公表しました。バリ島は州全体を1つの地域として集計されています。その結果、バリ島の固定回線(宿やカフェのWi-Fiの元になる回線)は、13地域の中でジャカルタと並んで下位にとどまりました。
- 固定回線の下り速度の中央値:67.04Mbps(シンガポールは447.75Mbps、バンコクは317.02Mbps)
- 下り25Mbps・上り3Mbpsに届かなかった測定の割合:22.1%
- Wi-Fi接続のうち、古い規格のWi-Fi 4による接続の割合:41.9%
中央値の67Mbpsは、地図やメッセージ、動画の視聴には十分な水準です。ただし約5回に1回は25Mbpsを下回るということは、同じ宿でも時間帯や部屋によって体感が大きく変わりうることを意味します。
バリ島のWi-Fiが遅く感じる理由は「回線」と「機器」の2つ
回線そのものの安定度が低い
Ooklaはこの分析で、中央値だけでなく「一定の速度を下回らなかった測定の割合」も示しています。バリ島の固定回線は、中央値が低いうえにこの割合も低く、速さと安定度の両方で余裕が小さいという評価でした。宿泊客が同時に使う夜の時間帯などは、混雑の影響も受けやすくなります。
Wi-Fi機器が古い
Ooklaは、Wi-Fiが「店の固定回線とパソコンをつなぐ最後の区間」であり、速い回線でも遅い作業環境になりうると指摘しています。バリ島ではWi-Fi接続の41.9%がWi-Fi 4で、最新のスマートフォンやパソコンを持っていっても、Wi-Fi 4の機器につなげばWi-Fi 4の性能しか出ません。宿の予約サイトに「Wi-Fi完備」と書かれていても、速さまでは分からないということです。
バリ島のモバイル回線は1年で大きく速くなった
固定回線とは対照的に、バリ島のモバイル回線は改善が進んでいます。同じOoklaの分析では、2025年4〜6月から2026年4〜6月にかけて、バリ島のモバイル回線の下り速度の中央値は62.4%上昇し、13地域の中で最大の伸びでした。
5Gも広がりつつあります。5G対応端末が実際に5Gにつながっていた時間の割合は、バリ島で42.3%と、前年から25.0ポイント増えました。ただしタイのプーケット(83.8%)やバンコク(80.5%)と比べるとまだ低く、4Gで使う時間が長いと考えておくのが現実的です。
インドネシア全体で見ると、Ooklaの2026年8月の集計では、モバイル回線の中央値が下り83.62Mbps・上り23.82Mbps・応答速度25ミリ秒、固定回線の中央値が下り84.19Mbps・上り64.82Mbpsでした。下りの速さはモバイルと固定でほぼ同じ水準です。宿のWi-Fiが遅いときに自分の回線へ切り替えるのは、十分に意味のある選択肢だといえます。
バリ島でWi-FiとeSIMを使い分ける目安
実測データから考えると、バリ島では宿やカフェのWi-Fiを「あれば使う」程度に位置づけ、移動中や大事な作業は自分の回線で行うのが安心です。
| 場面 | 向いている回線 |
|---|---|
| 宿での動画視聴、写真のバックアップ | 宿のWi-Fi(遅いときはeSIMに切り替え) |
| 配車アプリ、地図、移動中の連絡 | eSIM(外ではWi-Fiが使えない) |
| オンライン会議、仕事の送受信 | eSIMを予備に用意し、Wi-Fiが不安定なら切り替える |
| ネットバンキング、カード情報の入力 | eSIM(公衆Wi-Fiでは行わない) |
パソコンで作業する場合は、スマートフォンのテザリングで回線を分ける方法もあります。やり方はeSIMのテザリング設定で解説しています。カフェやコワーキングスペースを拠点に長く滞在する方は、デジタルノマド向けeSIMの選び方も参考にしてください。
バリ島で現地SIMを使うならIMEI登録に注意
インドネシアでは、国内のSIMカードで使う携帯端末にIMEI(端末の識別番号)の登録が必要です。インドネシア税関のングラ・ライ(バリ)事務所の公式案内によると、外国人旅行者の扱いは次のとおりです。
- 海外のSIMのまま(国際ローミング)で使う場合:IMEI登録は不要
- インドネシアのSIMを使い、滞在が90日以内の場合:通信事業者の店舗でIMEIを登録する
- インドネシアのSIMを使い、滞在が90日を超える場合:税関のウェブサイトまたはアプリでIMEIを登録する(1人2台まで)
つまり、空港や街で現地SIMを買う場合は、店頭での手続きが前提になります。到着直後に店舗へ寄る手間を省きたい場合は、日本で旅行用eSIMを設定しておけば、着陸後に回線をオンにするだけで使い始められます。eSIMを使うには端末がeSIMに対応し、SIMロックが解除されている必要があります(SIMロック解除の確認方法)。
バリ島のフリーWi-Fiを使うときの注意
カフェやレストランのWi-Fiは、パスワードを店内に掲示していたり、注文時に教えてもらえたりする形が一般的です。便利な一方で、同じネットワークを不特定多数が使う点は日本のフリーWi-Fiと変わりません。ネットバンキングやカード情報の入力、各種サービスへのログインは、自分のモバイル回線に切り替えてから行うのが基本です。名前の似た偽のアクセスポイントにも注意してください。詳しい対策はフリーWi-Fiのセキュリティ対策にまとめています。
また、バリ島ではヒンドゥー教の新年にあたるニュピ(静寂の日)に、島全体の活動が止まります。この日の通信の扱いや、山間部・離島の電波の傾向はバリ島・インドネシアeSIMガイドで解説しています。
バリ島のWi-Fi・通信についてよくある質問
バリ島のホテルやヴィラのWi-Fiは速いですか?
施設によって大きく異なります。Ooklaの2026年4〜6月の実測では、バリ島の固定回線の下り中央値は67.04Mbpsで、測定の22.1%は下り25Mbpsに届いていませんでした。予約サイトの「Wi-Fi完備」だけでは速さは分からないため、自分の回線を予備に用意しておくと安心です。
バリ島のカフェで仕事やオンライン会議はできますか?
多くの場合は可能ですが、安定度には余裕がありません。バリ島ではWi-Fi接続の41.9%が古い規格のWi-Fi 4で、最新の端末でも性能を出し切れないことがあります。大事な会議のときは、eSIMのテザリングに切り替えられるようにしておくのがおすすめです。
バリ島のモバイル回線は遅くないですか?
この1年で大きく改善しています。Ooklaの分析では、バリ島のモバイル回線の下り中央値は1年で62.4%上昇しました。インドネシア全体のモバイル回線の中央値は、2026年8月時点で下り83.62Mbpsです。5Gにつながる時間の割合は42.3%で、4Gで使う時間もまだ長いと考えてください。
バリ島で現地SIMを買うと何か手続きが必要ですか?
インドネシアのSIMを使う場合は、端末のIMEI登録が必要です。インドネシア税関によると、滞在90日以内の外国人旅行者は通信事業者の店舗で登録します。海外のSIMのまま国際ローミングで使う場合は、登録は不要です。
バリ島のフリーWi-Fiでカード決済をしても大丈夫ですか?
おすすめしません。不特定多数が使うネットワークでは、通信を盗み見られたり、偽のアクセスポイントに誘導されたりするおそれがあります。カード情報の入力やネットバンキングは、自分のモバイル回線に切り替えてから行ってください。
バリ島ではWi-Fiを「あれば使う」ものにして、自分の回線を主役にする
バリ島の宿やカフェにはWi-Fiがあり、つながらなくて困ることは多くありません。ただ、実測データが示すのは、固定回線の速さと安定度に余裕がなく、Wi-Fi機器も古いものが多いという現実です。一方でモバイル回線は1年で大きく速くなり、宿のWi-Fiより快適な場面も増えています。出発前に旅行用eSIMを設定しておき、Wi-Fiが遅いときや外出中、大事な操作をするときは自分の回線を使う。これがバリ島でストレスなく通信するための現実的な組み立て方です。
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