結論: ahamoは中国でも申し込み不要・追加料金なしでデータ通信が使え、通信がドコモの設備を経由する構造上、LINEやGoogleが開ける状態になることがほとんどです。ただし本当に旅程を左右するのは規制の話ではなく、海外で15日を超えると通信速度が最大128kbpsに落ち、日本に帰国してデータ通信するまで解除されないというルールのほうです。滞在が2週間を超えるなら、ahamo単体での設計は成り立ちません。

中国向けの通信手段を先に確保しておきたい場合は、Coral eSIMのプラン一覧から渡航日数に合う容量を選べます。

ahamoは中国でそのまま使える。申し込みも追加料金も不要

ahamoの海外データ通信は、91の国・地域で月間30GBまでを追加料金なしで使える仕様です。ahamoの公式説明では申し込み手続きが不要で、月額利用料も無料とされています。中国本土もこの対象に含まれます。

やることは端末側のデータローミングをオンにするだけです。渡航先が対象かどうかは、ドコモの国際ローミングの対応エリア検索で渡航先名を入れれば確認できます。ここで注意したいのは、中国本土・香港・マカオ・台湾はそれぞれ別の国・地域として扱われる点です。中国本土と香港を続けて回る旅程では、両方を確認しておく必要があります。

海外で使えるデータ量は月間30GBです。大盛りオプションに加入していても海外での上限は30GBのままで、増えません。30GBを使い切った後は最大1Mbpsに制限されます。

中国でLINE・Googleが使えるのはなぜか

通信が日本の設備を経由するため

中国では、国外の一部サービスへの接続が現地のネットワーク側で制限されています。現地のSIMやホテルのWi-Fiを使うと、この制限をそのまま受けます。

一方、国際ローミングでは、端末は現地の通信事業者の電波をつかみますが、データ通信そのものは契約元の事業者(ahamoの場合はドコモ)の設備を通って外部に出る構造になっています。現地のネットワークから直接インターネットに出るわけではないため、中国国内向けの制限が適用されない状態になります。これが「ahamoならVPNなしでLINEやGoogleが使える」と言われている理由です。

ただし、これは公式に保証された機能ではない

ここは押さえておく必要があります。ahamoもドコモも、「中国で規制対象のサービスが使える」とは案内していません。ローミングの仕組みからそうなっているだけで、サービスとして提供されているものではありません。

したがって、事業者側の接続方式が変われば挙動も変わり得ますし、渡航のたびに同じ結果になる保証もありません。業務で確実に使う必要がある通信手段を、この一点に賭けるのは避けるべきです。旅行中に地図やメッセージが使えれば十分という用途なら、実用上の問題は起きにくい範囲です。

本当の落とし穴は規制ではなく15日ルール

起算日は「海外で最初にデータ通信をした日」

ahamoのよくあるご質問では、海外で最初にデータ通信を利用した日(日本時間)を起算日として、15日経過後の日本時間0時以降、送受信時最大128kbpsに制限されると説明されています。公式の例では、4月1日に海外でデータ通信を開始した場合、4月16日午前0時から制限がかかります。

ここで見落とされやすいのが起算日の決まり方です。基準は「中国に入国した日」ではなく「海外でデータ通信をした日」です。経由地の空港でデータローミングがオンのままだと、そこで起算が始まります。乗り継ぎで1泊してから中国に入る旅程では、実質的に使える日数がその分減ります。

128kbpsは帰国してデータ通信するまで戻らない

この制限のきびしい点は解除方法です。ahamoはデータ量を追加購入しても解除されず、解除するには日本に帰国してデータ通信を行う必要があると明記しています。現地でできることは何もありません。

128kbpsは、テキストのやり取りが辛うじて通る程度の速度です。地図の読み込み、配車アプリ、QRコード決済の通信、写真付きのメッセージは実用になりません。しかも中国では、ここで現地SIMに切り替えても今度は規制のほうに引っかかるため、代替が効きにくい状態になります。滞在が15日を超える可能性があるなら、この一点だけで通信計画を組み直す価値があります。

通話とSMSは「追加料金なし」の対象外

追加料金なしの対象はデータ通信だけです。電話とSMSは別に課金されます。ahamoの公式説明では、海外では「かけ放題オプション」「5分以内の国内通話無料」が適用にならず、電話を受ける場合も着信料が発生します。SMSは送信1通100円、受信は無料です。

さらに、海外での電話とSMSの月間利用額が5万円を超過すると、当月末まで海外データ通信の利用も停止されます。通話が原因でデータまで止まる形になるため、中国滞在中に電話を多用する予定があるなら、通話はアプリ通話に寄せておくほうが安全です。

中国渡航でahamoとeSIMをどう使い分けるか

ahamoを持っていること自体は強みなので、捨てる必要はありません。滞在日数と用途で切り分けます。

ahamoだけで足りる場合

  • 滞在が15日以内で、経由地を含めても余裕がある旅程
  • 1か月の通信量が30GBに収まる使い方(動画の常時視聴やテザリングでの大量通信をしない)
  • 通信が一時的に不安定でも困らない、観光中心の旅行

eSIMを併用したほうがいい場合

  • 滞在が15日を超える、または超える可能性がある。128kbpsになってからでは手が打てません
  • 出張で、会議や連絡が途切れると業務に影響する。保証されていない挙動に依存させない
  • 30GBでは足りない、あるいは同行者にテザリングで分ける予定がある
  • 中国本土と香港・マカオをまたぐ旅程で、地域ごとの扱いを気にせず1本で通したい

現実的なのは、ahamoを主回線として残しつつ、eSIMをもう1本入れて切り替えられる状態にしておく構成です。デュアルSIMなら物理的な差し替えは不要で、設定画面から回線を切り替えるだけで済みます。中国向けのeSIM選びで確認すべき点は中国で使えるeSIMの選び方に、iPhone側の事情は中国でiPhoneのeSIMは使える?にまとめています。対応国と日数の組み合わせはプラン一覧から選べます。

出発前にやっておくこと

  1. ドコモの対応エリア検索で渡航先を確認する。中国本土・香港・マカオは別扱いなので、立ち寄る地域をすべて調べます。
  2. 経由地でのデータローミングを切っておく。乗り継ぎで通信すると15日の起算が早まります。中国に着いてからオンにします。
  3. 滞在日数から逆算して、15日を超えるかを判定する。超えるなら出発前にeSIMを用意します。現地では調達できません。
  4. eSIMを使うなら日本で開通させておく。開通にはインターネット接続が必要で、中国に着いてからでは手続きのページ自体が開けないことがあります。
  5. 通話とSMSの使い方を決めておく。着信にも料金がかかるため、連絡はアプリ通話に寄せます。

FAQ

ahamoで中国に行くとき、申し込みや設定は必要ですか?

申し込みは不要です。ahamoの海外データ通信は手続きなしで使えます。端末側でデータローミングをオンにするだけで接続できます。ただし通話とSMSは別料金なので、そちらの使い方は事前に決めておいてください。

ahamoなら中国でVPNは不要ですか?

ローミングでは通信がドコモの設備を経由するため、現地の制限を受けずに使える状態になるのが一般的です。ただし、これは仕組み上そうなっているだけで、ahamoが「規制対象のサービスが使える」と案内しているわけではありません。確実性が必要な用途では、別の通信手段も用意しておくほうが安全です。

香港・マカオ・台湾もahamoの15日にカウントされますか?

15日の起算は「海外でデータ通信をした日」が基準なので、地域を問わず海外での通信が対象です。香港で通信してから中国本土に入れば、香港での通信日が起算日になります。経由地での通信も同じ扱いです。

15日の速度制限がかかった後、データを買い足せば戻りますか?

戻りません。ahamoは、この速度制限はデータ量を追加購入しても解除されず、解除には日本に帰国してデータ通信を行う必要があると明記しています。現地で復旧させる方法はないため、15日を超える滞在では別回線を用意しておく必要があります。

中国で使うなら、ahamoとeSIMのどちらを選ぶべきですか?

15日以内かつ30GB以内の旅行ならahamoで足ります。それを超える滞在、または業務で確実性が必要な場合はeSIMを併用してください。両方入れておけば、片方が制限されたときに切り替えられます。ローミング全般との比較は国際ローミングとeSIMどっちが得?で扱っています。

ahamoの中国利用は「15日以内なら最適解」と割り切る

ahamoは中国渡航において、申し込み不要・追加料金なしという点で他のどの手段よりも手軽です。規制の影響を受けにくいことも実用上の利点です。ただしそれは15日以内・30GB以内・通信が保証されなくても困らないという条件の中での話です。この条件を外れた瞬間、現地では打つ手がなくなります。

判断は単純で、滞在日数が15日を超えるかどうかを先に確定させることです。超えないならahamoのまま行く。超えるなら出発前にeSIMを1本入れておく。この一手間で、128kbpsのまま残りの日程を過ごす事態は避けられます。渡航日数に合う容量はCoral eSIMのプラン一覧から確認できます。

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